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シニアツアー

【いわさき白露シニア/前日】「すごい緊張してます」渡部光洋に初めてのしかかる前年覇者の重圧

2023年11月23日

 国内シニアツアーの最終戦「いぶすき白露シニア」が、明日24日から3日間競技で開幕する。昨年大会は渡部光洋が3日間60台を並べ、最後は飯島宏明とのプレーオフを制してシニアツアー初優勝。プラヤド・マークセン(タイ)の7連勝を阻止した。



「シード…シード…とブツブツ言いながら、バクバクしていました」。昨年はシード圏内ギリギリの30位でこの最終戦を迎え、初シードへのプレッシャーを感じながら、初日、2日目を戦っていた。それが終わってみればシードどころか優勝までつかみ獲っていた。それが今年は現在までに826万7602円を獲得し、賞金ランキング19位ですでに来季のシードは確保している。



 それでも、胸に手を当てながら「すごい緊張しています」と、ディフェンディングチャンピオンとして戻ってきた渡部には、去年とは違うプレッシャーがのしかかる。コースに入ると、「去年お世話になった方々から『チャンプ、チャンプ』と声をかけていただいて」と、これまでに味わったことのない雰囲気にいつも通りにはいられない。「言われるのはあと3日くらいですけどね」と笑うが、「もう一回言われたい」と連覇への意欲も見せる。


 レギュラー、シニアを通じて初めての優勝で、渡部自身が変わったこともある。「普段の生活も、ゴルフに対してもだいぶ真面目に取り組むようになりました。例えば、ゴルフ場にはちゃんと革靴で行くようにしています。そういう小さいところからです」。ツアー優勝者として人に見られることを意識して行動するようになった。



 1年ぶりに訪れたいぶすきゴルフクラブは「イメージはいいです。グリーンはあんまり読めてないんですけど、ティショットのプレッシャーは他のコースと比べると、ちょっとくらい曲がっても大丈夫なので」と、勝っているだけに印象はいい。飛ばし屋の渡部にとってティイングエリアからの景色が広々と見えるコースは戦いやすいのだ。


 今大会は渡部がスポンサー契約を結ぶエリートグリップ株式会社が協賛し、中継も担当する。同社が中継を担当したトーナメントで契約プロが勝ったのは渡部が初めて。そんな縁も感じながら、「連覇できるのは自分だけなので、もう一回勝てるように頑張りたい」と渡部らしく少し遠慮がちに話す。2連覇を達成して、シードのプレッシャーの次は、前年覇者として迎える試合のプレッシャーも克服したい。