第2ラウンドは悪天候のため中止となり、大会は36ホールの短縮競技となった。昨日の第1ラウンドが終わった段階で、「雨で中止にならないかな(笑)」と密かに願っていたのは横尾要。初日はトップと1打差の5アンダー・2位タイの好位置につけ、初優勝も見える位置で残り18ホールに臨む。
第2ラウンドは午前10時40分スタートの最終組の予定だったが、「シニアって早起きだから部屋にいられないんですよ(笑)。飯でも食いに行くかみたいな感じで来ました」と9時前にはコースに。第一組のスタート時間とは2時間以上の差があり、待っている間も「もし始まっても、それから準備で全然間に合うので」と、ゆっくり過ごしていた。10時に中止のアナウンスがあると、「あと一日頑張れば良いだけです」と、明日に気持ちを向けた。
現在51歳の横尾はシニアツアー2年目。ルーキーイヤーの昨年は、7月に50歳の誕生日を迎えて、8月の「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」から7試合に出場したが、賞金ランキング41位で同30位までのシードには届かなかった。そうして迎えた今季、4月の開幕戦「金秀シニア 沖縄オープン」では、いきなり2位タイ。しかし、その後は9位タイが1つあるだけで、優勝争いには絡めずにいる。現在の賞金ランキングは23位(562万1599円)で、シード当落ランプはまだ点っていない。
「開幕戦は良かったんだけど、スターツといい、ファンケルといい、賞金が高いところで良くない。高いところで頑張っておかないと」。今大会と次週の最終戦は賞金総額が高い試合となっており、一気に賞金ランキングを上げることも可能だが、反対に抜かれるリスクもある。本人はシード安全圏を「650万円に行ければ大丈夫」と予想。そのためには「(今週と来週の)どっちかの試合でトップ10に入れば僕は決まる」と考えている。今大会で単独10位に入ると賞金は105万円で、650万円には届く計算だ。
レギュラーツアーでは5勝を上げている横尾。1打を追う最終日は、シードどころかシニアツアー初優勝にも手が届きそう。「レベルが高いので、優勝というよりはとにかく来年の出場権が獲りたい。今は切羽詰まっている状況なので、初日の5アンダーは大きいと思います」と、本人の目標はあくまでもシード権。「優勝はしたいですけど、そんなに甘くないので、あまり欲をかかずに行きたい」と威勢のいい言葉は出てこない。
日大ゴルフ部の同期で、『日大三羽ガラス』と呼ばれた片山晋呉、宮本勝昌はレギュラーとシニアを股にかけてプレーを続けている。宮本はシニアツアーの賞金ランキングトップを走り、片山は前週のレギュラーツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」で6位タイに入る活躍をみせた。
そんな2人に「余計なのが来たよね(笑)。あいつらは向こう(レギュラー)でやっていれがいいのに。邪魔者です」と笑いながらいう。続けて、「シンゴだって先週頑張ってトップ10に入っているし、2人は本当にすごいと思います。僕は5勝だけど、宮本は12勝で、シンゴは31勝。ぜーんぜんレベルが違いますよ」と、レギュラーでの勝ち星を持ち出して、手放しで褒める。
2人に引け目を感じながらも、横尾には将来の目標がある。「エージシュートができるくらいまでゴルフはやっていたい。競技ではないですよ。そこまで生きられて、ゴルフができる状態の体を維持したい」。昔からのシュッとした体型をキープしている横尾だが、意外にも「トレーニングはまったくしていない」。健康の秘訣はゴルフで歩くことなのだ。「昔からゴルフをするのはすごく好き。散歩がてらにゴルフをやる」。その18ホール歩いた先にあるのは優勝か、それともシード権か。