PGAシニアツアー第12戦「すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント」が11月16日から3日間、栃木・イーストウッドカントリークラブ(6,867ヤード、パー72)で行われる。前年覇者真板潔(63)をはじめ、倉本昌弘(68)、室田淳(68)、芹澤信雄(64)、深堀圭一郎(55)、藤田寛之(54)、片山晋呉(50)らプロ84名出場する。シニアツアーも残り2戦となり賞金王争いにも注目が集まる。
今年の国内シニアツアーも残り2戦。あす16日から3日間の日程で開催される「すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント」と、次週の最終戦「いわさき白露シニアゴルフトーナメント」だけとなった。
昨年は6月に行われた「すまいーだカップ」を制したのは真板潔だった。後続を1打差で振り切る涙の復活V。62歳にして5年ぶりのシニアツアー7勝目を挙げ、22年の賞金ランキングも11位と躍進。3年ぶりに賞金シードも獲得した。しかし、今年は「去年よりヒザの状態が良くない」と、賞金ランキング60位に沈んでいる。来季の出場権が得られる賞金シード圏内の30位に位置する崎山武志とは約260万円差で、この2試合で上位に入らないとシードから陥落してしまうのだ。
大会自体は同じコースでの開催だが、昨年は6月、今年は11月と気温差は10度以上の開きがある。「気温が低いし、ボールはやっぱり飛ばなくなる」とディフェンディングチャンピオンも違いを感じている。
気持ちよく戦いたいディフェンディング大会だが、今年はずっとヒザ痛に悩まされている。「ゴルフの調子以前に体調が良かったら、もうちょっとましなシーズンを送れたかな。痛いところがあると、なかなか自分の気持ちも持っていけない」と弱気が口をつく。
歩くだけでヒザには痛みが走り、それはショットにも影響。だから「やっていて楽しくない」ゴルフが続いている。しかも明後日の2日目は雨予報。ヒザ痛が悪化する心配に加え、「雨が降って寒くなったら、コースがすごく長くなる。考えたらイヤになっちゃう」と不安だらけだ。真板は今年12月で64歳。50歳がルーキーのシニアツアーにおいて、若い選手との飛距離差は雨のほうがより大きくなる。
それでも昨年勝っているコースだけに、「コースのイメージは悪くない。優勝してない年もそこそこいいスコアが出たりしていたからね」と、プラスに考えられる材料もある。昨年は3日間60台を揃え、トータル11アンダーで優勝。19年にはトータル10アンダーで10位タイに入っている。それでも現在のヒザの状態を考えると、「ほんのちょっとの違い」と本人はいう。
今年は泣いても笑ってもあと2戦。賞金ランキング30位に入れなければ来季の出場権をかけて予選会に回ることになる。「予選会に行って、来年試合に出られても、どうかな?っていうのはある。試合に出るだけじゃダメ。稼がないと。試合で稼げなかったら他の仕事をするしかない」。
思い通りにならない体とゴルフ。63歳は人生の岐路に立っている。それでも真板は「28歳からゴルフの賞金だけで生活してきた。人はどう思うか分からないけど、自分のなかではよく頑張ったと思う」という自負がある。ツアー生活の終局も意識しながら、残り2試合に挑んでいく。