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シニアツアー

【コスモヘルスカップ/FR】塚田好宣が67で回り通算10アンダー、ホームコースで逆転優勝!シニア3勝目

2023年11月03日

「コスモヘルスカップ シニアトーナメント」の最終ラウンドでは、5アンダー7位からスタートした塚田好宣(54)が7バーディー2ボギーと5つスコアを伸ばし通算10アンダーで逆転優勝を飾った。10月の佐世保シニア優勝に続き今季シニア2勝目、通算3勝目をあげた。1打差2位に深堀圭一郎(53)、さらに1打差3位タイには横田真一(51)、タワン・ウィラチャン(56)、渡部光洋(51)が入った。74歳の海老原清治が73ストロークで回りエージシュートを達成している。

    

「生まれも育ちも千葉でして、地元千葉開催の大会で初めて優勝を飾ることができました。本当に嬉しいです」と塚田好宣が満面の笑みをみせた。会場のカレドニアン・ゴルフクラブは千葉県山武郡に位置しているが、塚田は隣接する山武市に在住。自宅から車で15分の距離にあるカレドニアンは、練習環境が良く整備されていることもあり、約7年前にメンバー入りをした、塚田にとって大事なホームコースだった。今春に大会の開催がカレドニアンに決まってからは、この時期に調子を合わせていくことも視野にいれて、練習に励んでいたのだった。

 最終ラウンドのスタート時点では首位の横田とは4打差。「とりあえず行けるところまではやってみよう、2桁アンダーまでいけばチャンスはあるかなと」と考えていたという。2番パー5でバーディーを先攻させ、4番でもバーディー奪取。6番は池の絡むパー5。苦手なつま先下がりの左傾斜から打ったサードショットを左に引っ掛けて距離のあるクロスバンカーへ。塚田はあごも高いバンカーからピンに向かって、1メートルに着けるスーパーショットを見せたが、微妙なパーパットを外しボギーにしてしまった。しかし7、8番と慎重にゲームを進めてバウンスバックに成功。前半は3つスコアを伸ばして後半に向かった。

 「それにしても全体のスコアが伸びないのは、初日にアンダーパーが量産されたから、ピンポジションの難易度があがったのかな」と警戒。後半、シグネチャーホールの13番パー4で、セカンド108ヤードから5メートル弱の距離に着けて、バーディーパットを決めた。塚田は「流れが良い」と感じ始めた。15番のパー5では、3打目をあえてピンを狙わず、縦距離だけを合わせた。下りの4メートルをきっちりと仕留め「今日はついている」と確信。16番でも連続バーディーとしスコアを伸ばしたが、全体の流れがわからないまま残りのホールを消化していった。

 迎えた最終18番パー5。思っていたよりも飛距離がでていたこともありラフに苦戦。グリーンオンまで4打かかってしまい、2パットでまさかのボギー。通算10アンダーはプレーオフもあると覚悟はしていたが、最終組がスコアを落としていたため、最終1組前でプレーしていた塚田が優勝を手にしたのだった。首位とは4打差の逆転優勝。「追いついて勝ちたい」という強い想いで叶えた優勝だった。

 勝因は、悩んでいたパッティングを克服したことにある。先週の福岡シニアオープンでは同組で回った寺西明がアドバイスをくれたという。「構え方や打ち方といった年齢相応の対応力を教わったのです。そしたらパターまで変えたくなってしまって。昨年全英シニアオープンに出場した時の難しいパターと仲直りすることにしました」と、これまでの悪循環から脱却すると一大決心。塚田は水面下で様々な調整を続けていた。「全英シニアから封印していたパターだったのに、なぜかフィーリングがあったんですよね」と首を傾げる。

 そして「義理のお父さんも、僕より早く会場に駆けつけてくれましたし、近所の応援団もぞろぞろ試合を観戦してくれたりと、改めて声援は力になるんだって」と嬉しさをにじませた。

 地元千葉開催というよりも「山武開催」の試合だったことが、塚田にとって大きな力になったようだ。

 今季シニアツアーは残すところ「すまいーだカップシニア」と「いわさき白露シニア」の2戦。塚田は「賞金の高い試合が続くので、上位での優勝争いをしたいですね」と気持ちを引き締めている。

 塚田が同年で複数回優勝を達成したことは、今後シニアツアーの顔として認識されるとともに期待もかかる。「やっぱりシニアツアーの代表として『日立3ツアーズ選手権』に出場したい。各ゴルフツアーのトップ選手が揃う大会に、もう一度出場したいです」と塚田は密かにメンバー入りを狙っている頼もしい存在。「賞金ランキング上位者」が出場資格の基準になるのだが、コスモヘルスカップ終了時点で9位に入ったこともあり、残り2戦でひとつでも上位ランクにしがみつくしかない。

 高い難易度を持ち合わせる景観の美しいカレドニアン・メンバーコースで、念願の優勝を手に入れた。自分の満足度も充足させたいが、それ以上に「いつ来ても気分良くさせてくれる、カレドニアンの素晴らしさを知ってもらいたい」という思いもある。プロゴルファーがシニアツアーで戦う元気な姿は、どの世代のゴルファーにとっても励みになる。塚田はますます技に魅力をかけ、シニアツアーを盛り上げていく存在になるだろう。