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シニアツアー

〔福岡シニアOP/1R〕所属コースでシニアデビューを飾った伊東長明が3位に入る大健闘

2023年10月28日

所属する福岡カンツリー倶楽部和白コースで、念願だったシニアツアーデビューを果たし、第1ラウンドを4アンダー単独3位と好スタートを切った伊東長明(52)。シニアツアー出場を夢見て45歳で福岡カンツリー倶楽部に入り、練習やトレーニングを積んできた。どの選手よりもコースを隅から隅まで知り尽くす伊東が、デビュー戦で大健闘を見せた。

伊東は第1ラウンド10番ホールからスタート。11番パー5では60ヤードのアプローチを2メートルに着けてバーディー。続く12番パー3(150ヤード)は8番アイアンで1.5メートルとショットも冴え、2つ目のバーディー奪取。後半は2番パー3でグリーン右端6メートルの距離をしっかりと読み切ってさらにスコアを伸ばす。唯一のボギーは6番。苦手な50度のウェッジを振り抜けずにミスショット。それでも7番パー3(172ヤード)ではピンまで残り9メートルをねじ込むと、8番でも5メートルのミドルパットを連続で仕留めた。68ストローク、4アンダーは単独3位と上々の滑り出しだ。

「2人で一緒にシニアツアーに全試合行こう」。妻と交わしていた約束だった。伊東が47歳の時に妻に癌が見つかり、一年間の懸命な治療も叶わず、妻は53歳で生涯を閉じた。あれから5年経っているが、伊東は妻の亡くなった後もシニアツアー出場という夢を忘れず、コツコツと練習を重ねてきた。

今年1月のこと。起床後、突然左脚の感覚を失った。「こんな違和感は初めて」と脚を引き釣りながら実家を訪ね、親に話をしたところ「それは脳梗塞の兆候。危険な状態だから早く病院へ」と促され、近所の病院で診てもらった。「血管詰まってるね」と言われそのまま10日間入院。これまでの不摂生や生活の変化を受け、身体が強いストレスを受けていたことが表面化し、伊東は猛省した。

「血液をサラサラにする薬を飲んでいることもあり、食生活の徹底した見直しをすることで、健康を意識するようになりました。最盛期から18キロ落ちましたが、今は健康をキープできています」。伊東はトレーニングや練習だけではなく、自炊のなかで食事を考えることが今は生活のリズムになっているという。

脳梗塞を発症してから10か月が経つ。健康でなければやりたいことも叶わないと知った。「今年はご縁があって主催者推薦で出場するチャンスをいただいてから、これまで以上に練習に取り組んできました。コースの社長、支配人、そしてスタッフのみなさんからも応援していただいて、本当に有難い限りです」と謝意を示した。

伊東は埼玉県出身。17歳に福岡に移住してきて、かれこれ35年という月日が経つ。福岡国際カントリークラブに研修生として入り、その後チサンカントリークラブ遠賀に入社。4年の勤めを経て、現在の福岡カンツリー倶楽部へとたどりついた。「今日は念願だったトーナメントの楽しさを十分に味わいました。明日は最終組だったら緊張するかな。やっぱり試合は面白いですね」。コースを知り尽くす所属プロ伊東が、地元福岡で精一杯のプレーを見せてくれるはずだ。