最終ラウンドは1アンダー33位タイからスタートした山添昌良(56)が10バーディー・1ボギーの63ストロークとこの日だけでスコアを大爆発させ、一時はリーダーズボードのトップに並び、通算10アンダー3位まで順位を上げて大会を賑わせた。
山添にとって10月15日は56歳の誕生日。スタート前、仲間のプロから誕生日をいじられるシーンもあり、リラックスした状況でゲームを進めることができた。出だしから4連続バーディーと猛チャージ。そして8、9、10番でバーディーラッシュと勢いが止まらない。12番でバーディー8つ目。14番では初ボギーが来たが、15番パー3でバウンスバックに成功。17番でもスコアを伸ばし、終わってみれば63ストローク。「9アンダー?信じられない」とプロもざわつくスコアは、コースレコードというおまけ付きだった。先月の日本シニアオープンからパターをオデッセイにチェンジ。シニアオープン、日本プロシニアのシニア公式戦で優勝争いを演じ、どちらも2位という好位置につけていたことも、この日ビックスコアを出した伏線だったのだ。
「最高の誕生日になりました。こんなに嬉しい誕生日はないです」と山添に大きな笑顔がはじけた。「すべてのショット、パットが良かった。リラックスして回れました。1アンダーからスタートしたから変なプレッシャーはなかったんですよ。気づいたら波に乗っていたという感じでした」と振り返る。
「優勝というよりも、今日は自分の最高のパフォーマンスを出せて嬉しかったですし、自分自身に最高の誕生日プレゼントとなりました」。
山添が2勝を挙げている相性の良い「すまいーだカップシニア」を含め今季シニアは残り4戦が待っている。昨シーズンは賞金シードギリギリの順位(29位)だったが、今季は佐世保シニア終了時点で賞金ランキング7位まで浮上している。そこには日々の努力を惜しまず、心身共に向上を願う山添のひたむきな姿勢がある。終盤戦の戦いでは、山添の活躍にも注目したい。