エキシビジョン競技であるスーパーシニアの部の最終ラウンドは、1オーバー5位からでた海老原清治(74)が69をマークし通算2アンダーで首位スタートの佐野修一(75)、中村通(72)を逆転。優勝賞金50万円を獲得した。
第1ラウンドは73ストローク、最終ラウンドでは69ストロークで回り連日のエージシュートを達成。142ストローク、通算2アンダーとした海老原清治・74歳が佐世保シニア3度目の出場にして、初優勝を飾った。
首位と2打差からスタートした海老原。前半では難易度の高い3番パー5でバーディーを先攻させると5番から3連続バーディー。あっという間に首位に立った。後半に入ると優勝を意識し始めてしまい、一転守りのプレーに。1つスコアを落としたが、全体としてスコアが伸びず、海老原が通算2アンダーで優勝。昨年は山本善隆に逆転負けを期していることもあり、今回リベンジを果たすことができた。
「優勝、嬉しいね。最終ラウンドはうまく切り抜けましたね」と、穏やかな笑みを浮かべた。海老原は6月に首頸椎の手術を受け、その後約100日間、クラブが握れなかった。「自分がゴルフ出来ない期間は辛かった」と振り返ったが「ただね、所属コース(我孫子ゴルフ倶楽部)でアマチュアの方々のスイングをみていて、みなさん情報過多で考え過ぎなのかなぁって思っていて。私みたいにゴルフは単純に考えた方がいいってことをね、ぜひお伝えしたい」と気づきも得られた。「レッスンがね、楽しいんですよ。だから、PGAのティーチングプロアワードを獲ろうかとか、目論んだりね」といくつになっても夢は尽きない。
今年5月に開催された「船橋カントリークラブカップ 関東プロゴルフゴールドシニア選手権」では、最終日66と猛チャージ。優勝には届かなかったが2位に入る健闘を見せている。6月に手術を受け、9月の日本プロゴルフゴールドシニア選手権はまだ不安があると出場を見送った。それから2週間が経ち、今回の佐世保シニア・スーパーシニアで優勝という機会に恵まれた。「まだまだゴルフを楽しみたいですね。手術をすると決心してから、こうやってプレーするまで回復しました。本当に嬉しいよ」。と笑みもこぼれる。
海老原にとって、今回の参戦は術後楽しみにしていた復帰戦でもあった。丸2日、スーパーシニアの仲間と一緒に過ごした。「私の元気の秘訣はね、仲間がいるってこと。今回も良きライバルに囲まれていたし、70歳になる前に地元プロで結成した『70の会』が、これが楽しい。しょっちゅう仲間とゴルフしてね、アマチュアの方も一緒にワーワーやっているんですよ。ゴルフや旅の計画を立ててね、それを目標にしています」。
欧州シニアツアー賞金王(2002年)というビックタイトルを獲得してから、21年の月日が経った。海老原清治は国内でもレギュラー1勝、シニア2勝を挙げ、グランド・ゴールド世代に入っても、勝ち星をつかみつづけている。2019年には日本プロゴルフ殿堂入りも果たしている真のスーパーシニアだ。これからも海老原が元気な話題を提供してくれることは間違いない。
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