日本シニアオープンでシニアデビューを飾ったルーキー・谷岡達弥が第2ラウンドで69をマークし通算3アンダーで8位に浮上。シニアルーキー出場選手の中では最上位について決勝ラウンドに進出する。
谷岡は「オープン競技のセッティングはボールをフェアウェイに置くことが大事。それでもキックひとつで天国と地獄がある。その結果如何で割り切りも必要だと思って」と、楽しみにしていた大会に向けてゲーム戦略を練っていたようだ。イン10番からスタートし、12番で2メートル、13番ではピン下5メートルにつけて確実にバーディーを仕留めるが、14番パー5でグリーンのマウンド傾斜を読み切れずに3パットボギー。続く15番はピン下3メートルを読み切ってバウンスバックに成功。17番パー3では5メートルのフックラインを読み切ってさらにバーディーを積み上げ、前半で3つ伸ばした。
ハーフターン後の1番パー5では1メートル弱のバーディーパットを外したが、集中力は途切れなかった。4番パー3では1メートル、6番パー5はピン横3メートルとショットが冴えわたりバーディー奪取。8番ではティーショットをミスしてから3パットのダブルボギーで後退するが、目標だった60台のスコア、そして通算3アンダーは戦略通りにゲームを運ぶことができた。
谷岡が所属するココパリゾートクラブは、三重県の白山市にある宿泊ゴルフリゾート。広大な敷地に36ホールを保有し、2015年には日本シニアオープンを開催するチャンピオンコースがある。谷岡は10年来お世話になっているといい、レギュラーツアーやAbemaTVツアーに参戦後は、ここ5年ほどはコースでレッスン活動に従事し「シニアツアーに向けて準備してきました」という。
「ツアー競技に出ていた頃と比べると、今の飛距離は20ヤードくらい落ちました。クラブの性能は上がっていても、飛距離は年齢とともに変化するんですね。その分アイアンの精度を上げました。そうすれば2アンダー、3アンダーというスコアを目標にしたゲームマネジメントが出来ると思ったのです。とにかくアイアンを中心に練習を続けてきました」と振り返った。所属コースでメンバーさんにレッスンする機会が増えたことも、シニア入りに向けてプラスの要因だという。「アドバイスをするたびに、自分のことだなとか思いながら(笑)。毎回ゴルフの新しい気づきがあって。そういう仕事も貴重な経験なんです」。谷岡は充実した表情を浮かべ、これまでの日々を回想した。
今年のシニア最終予選会65位ということもあり、いまだツアーの出場資格が回ってこないが、来月の「日本プロシニア」には出場できる可能性が高い。「楽しみにしていた50歳からのシニアツアーに参加したい。これまで準備を重ねてきたことは、決して裏切らないと思っています」とチャンス到来に期待も膨らむ。念願の決勝ラウンドに向けては「目標にしている1日2、3アンダーを出せるかどうか。そのためには自分の集中力を切らさない。成功しても失敗しても冷静でいることを守り通せるかだと思って挑みます」。
予選ラウンドには、所属コースのメンバーさんが「谷岡達弥」の名前が書かれた応援タオルを持って駆けつけてくれている。「感謝しかありません」と谷岡は頬を緩ませた。決勝ラウンドでは動じることなく、自分のマネジメントに徹することを心に誓った。