優勝争いの主役の座を掴もうと猛チャージをかけたのが、首位5打差の8アンダーからスタートした宮本勝昌。8月のファンケルクラシックでシニア初優勝を遂げてから調子を維持し、1年前にシニアデビューを飾ったこのコマツオープンで熟練した技を繰り広げた。
前半で4つのバーディーを仕留め、首位の崎山との差を徐々に詰めていく。後半10番、14番でバーディーを重ねて首位を逆転。しかし15番でショットが乱れてボギーに。続く16番パー3ではティーショットがグリーンを捉えられず連続ボギーに。しかし、17番でバンカーから会心のチップインバーディーを仕留め、首位タイの13アンダーとし逆転優勝への望みをつないだ。
最終18番パー5。ティーショットがつま先上がりの斜面へ。ボールが沈んでいたのか、5番ウッドを振り抜くと球が捕まりすぎて左のラフへ。結局3オン2パットのパーセーブになり、後続の最終組でプレーするタイスコアの久保がバーディーフィニッシュして、シニア2勝目を逃してしまった。それでも最終ラウンドは67をマークして優勝争いにきちんと絡んできたのは、現役レギュラー選手の実力を証明した形となった。
宮本は「後半がバタついてミスが続いてしまいましたね。この3日間、良かったり悪かったりだったので、次は『良かった』を少しでも多くしたい」と反省する。シニアツアーに参戦してこの試合から2年目のシーズンを迎えた宮本だが「60歳になってもこうやって優勝ができるとか、優勝争いができる姿をみてシニアは本当に面白いと改めて感じました。今日の久保さんは、ダブルボギーからのスーパーバーディーや、最終ホールでもバーディーをとるあたりで、優勝に相応しいナイスプレーだったと思います。久保さんには、心からおめでとうと言いたいです」と微笑んだ。ファンケルクラシックでシニア初優勝を遂げ、1年前にシニアデビューを飾ったこのコマツオープンで、宮本はシニアツアーの一員になったという自覚を確信したのだった。
優勝した久保から、最終ラウンドの朝「じゃまするなよな」とけん制されながらも、6バーディー・ノーボギー66をマークし、チャンピオン久保とは1打差まで迫ったのが飯島宏明だ。シニア5戦を終えて飯島は4度のトップ10入りという好調なプレーで、賞金ランキングも5位に着けている。
飯島は前半で3つ、後半でも3つのバーディーを確実に仕留め、最終ラウンドスタート時の7アンダーから一気にスコアを伸ばして13アンダー2位タイとし、存在感を知らしめた。
「今日はショット、パットともに良かったです。でも最後は緊張したせいか、球が左に左に飛んでしまって。それでもアプローチとパターで凌いで。最後もセカンドはいいところからちょっとミスっちゃって、でもアプローチで上手く寄せてパターが入って、バーディーフィニッシュ。一日すごく良いゴルフでしたね」と充実感を漂わせていた。
シニア初優勝まであと一歩のところに来ている飯島。久保先輩の優勝シーンを目の当たりにしたことで、良いイメージを持ったまま「一打でも良いスコアで頑張りたい」と目標を口にした。次戦の日本シニアオープンでの活躍も期待される。