石川にある小松カントリークラブ(6,958ヤード/パー72)で行われている「コマツオープン2023」の第2ラウンド。4アンダー5位からスタートした崎山武志(60)が63をマークし通算13アンダーで単独トップに立つ。3打差2位には久保勝美(60)とシニアルーキーでシニア1勝を挙げているI・J・ジャン(50)が続く。昨年覇者の深堀圭一郎(54)は首位と5打差、通算8アンダー5位グループで勝機を伺う。髙橋勝成(73)が70ストロークで回り、エージシュートを達成している。
2015年のコマツオープン覇者で、これまでにシニアツアー7勝を挙げている崎山武志(60)が、第2ラウンドで10バーディー・1ボギーの63と爆発力を出し、通算13アンダーと2位に3打先行させて最終日首位スタートを切る。
60歳還暦を迎え、崎山はさらにパワーアップを続けている。秘訣を聞くと「普段から練習を続けていくための体力づくりをしているんです。ショット練習はオンとオフをきっちりと守っていますが、一方でトレーニングを欠かすことはありません」と体づくりを目指したメンテナンスをこつこつとこなしている。その成果が、今回相性のいいコマツオープンで発揮されたのだ。
片山晋呉、I・J・ジャンという意気のいい若手と、良きライバルである久保勝美と同組だった第2ラウンドでは、ゲームの良い流れが生まれた。スタート1番ホールからショットが冴え2オン、2パットのバーディーを先行すると、3番ではチップインバーディー。4番はセカンド残り159ヤードを7番アイアンで1メートルに着けてバーディーに。6番パー4では3メートルのバーディーを決めたが、続く7番で唯一のボギーに。9番ではセカンド118ヤードをピッチングで1メートルに絡めて、さらにスコアを伸ばしていく。
後半も11、12番の連続、14、15番でも2連続のバーディー。最終18番パー5では1メートルの距離を確実に決めてこの日10個目のバーディーを積み上げた。9アンダーはこの日のベストスコア賞を獲得。これまで8度コマツオープンに出場し、コース攻略も頭に入れているベテランシニアが主役の座についた。
「結構しのいでいるんですよ。アプローチが特に良かったので、丁寧なゲーム運びをするように心がけてきました。片山さん、ジャンさんは飛距離がでますが、僕は長いクラブを振ろうとはせず、大事にフェアウェイに置こうと。そしてアイアンは自分の距離を信じて打つ。そういったことをずっと念頭においていました。それが結果的にスコアにつながりました」と笑顔で振り返った。さらに崎山にとっては同組の流れ、雰囲気もプレーに影響したようだ。「昨日も今日も、お互いのプレーを応援できる良いメンバーだったんです。その応援が自分に返ってきたのかもしれませんね」。崎山の人柄が良く示されている優しい言葉だった。
崎山は昨年、60歳以上の関東プロゴルフグランドシニア選手権大会で優勝しているが、シニアツアーでは最後の優勝からすでに7年が経っている。大会の歴代優勝者として、コマツオープン2勝目も期待されるが「頑張りたいですが、誰かに抜かれることもあるし、とにかくできることをやり抜きたい。自信をもって18ホールを回れればいい結果がついてきます」と、崎山は口元を引き締めた。タイトリスト3兄弟の長男・久保と次男・崎山が、同組で優勝争いを演じる面白い試合展開が期待される。