初日5アンダー3位スタートの梶川武志(52)が6バーディー・2ボギーの4アンダー68で回り通算9アンダーまでスコアを伸ばして単独4位。梶川にとってシニア初優勝の好機到来だ。
「今日もパッティングが良かったですよ。3パット2回やってどちらもボギーでしたが、バーディーホールは良い距離が決まってくれました」と振り返る。最終組でプレーした梶川は、スタート1番で2メートルにつけてバーディーを先攻させたが、4番で3パットボギー。しかし6番で4メートル、7番で5メートルが入って前半で2打伸ばした。後半11番では3パットボギーにするが、13番で11メートルのロングパットを沈めてスコアを戻す。さらに16、17番ときっちりバーディーを決めてフィニッシュし、4つスコアを伸ばして明日の最終日を上位で迎えることになる。
その最終組には崎山武志、久保勝美、I・J・ジャンといったレギュラー、シニアツアーで活躍しているベテラン勢が待ち構えている。「最大の敵は『世界褒め殺しランキング』でぶっちぎりトップの久保さん(笑)。これまで勝てたことないですし、スタート前から口攻撃でけしかけてくるからね、もう大変ですよ。そう、一緒の時点でもう負けかも(笑)」と先輩の久保の存在を警戒するが、いじられる梶川の表情も明るいのだ。「久保さんも好敵手で楽しみですけど、崎山さんも優しい方ですし、I・J・ジャンさんとかトップレベルの選手と明日の同組は面白そう。何か新しい学びがあるはず」と期待に胸を膨らませる。
シニア3シーズン目を迎えた梶川は予選会ランキング45位と不振だったが「出られる試合が日本プロシニアだけになりそうなので、今回のコマツオープンではなんとしてでも成績を残したい」と強い決意を抱いている。
今週日曜から取り組んできたコマツカントリークラブでのパッティング対策。他の誰よりも練習に練習を重ね、グリーンのタッチを覚えこませてきた。「シニアツアーではレギュラーと違ってゲームの攻め方がだいぶ違うことがわかってきました。グリーン上ではいかにストロークを少なくするようなマネジメントができるかどうか。そしてどんな距離でも対応できるフィーリングが求められます。今回は良い位置に着けられていますし、残り1日全力を出せるように、もう少しパッティングを練習して帰ります」。
首位と4打差、梶川はシニア初優勝のチャンスもつかめる好位置にいる。「まずは褒め殺し選手権チャンピオンの久保さんに勝ちたい」と笑顔で目標を打ち立てた。第1、第2ラウンドとコマツブルーのウエアでプレーしていた梶川は、最終日もコマツブルーを力に変えて新たな一日に挑む。