昨年のシニア最終戦「いわさき白露シニア」で初優勝を飾り、今年シニア2年目を迎えた渡部光洋(51)が67をマークして首位と3打差の3位で初日を滑り出した。
スタート1番で5メートルを決めてバーディー発進。3番をボギーとしたものの6番、7番とセカンドショットがピンに絡んで2連続バーディー。9番では先に打ったプレーヤーのラインを参考に10メートルのバーディーパットを沈め、前半で3つスコアを伸ばした。後半は1メートルのパーパットを外してボギーもあったが、最終18番パー5ではセカンド残り260ヤードを3番ウッドでグリーンキャッチ。3メートルのイーグルパットを決めると、一気に上位グループに名乗りを挙げてきた。
帯同キャディの藤原さんと初タッグを組んで挑んだコマツオープン。「だいぶ楽させてもらいましたよ。レギュラーツアーで担いでもらったことがあるんですが、シニアでは初。彼とは20年来の付き合いがあって、今はティーチングプロB級取得を目指して講習会に参加していることもあり、忙しい中でスケジュールを見つけてくれました」と頼れるキャディの話に言葉も弾む。
それに加えて同組で回ったベテランシニアの室田淳、崎山武志、そしてデービッド・スメイルとシニアツアー優勝経験者とのラウンドは良い流れを生み出した。「室田さんは絶対にリズムが崩れない。崎山さんもショットメーカーでしたし、スメイルさんとはドライバーショットで競ったりと、本当に一日たくさん勉強させてもらいながら、あっという間に18ホールが終わったという感じでしたね」。シニアで初優勝してからは、同組の選手の顔触れもだいぶ変わり、トーナメントの充実度も深みを増している。
渡部は普段所属する小野東洋ゴルフクラブでレッスンを中心に活動する。レッスン合間は練習に練習を重ね、シニア2年目を挑む決意をしている。「今のところ賞金ランキング30位以内に入っていますが、油断するとすぐに落ちる位置だということも理解しています。だからこそ、この良い流れを自分でつぶさないように、変にしないようにします。そうです、静かにやります」とこの状況を冷静に受け止めている。
シニア1年目ではツアー会場で毎回情報収集に奔走しながら、賞金ランキング圏内を目指し、終盤戦に猛チャージをかけることになったが、今年はこれまでの経験値が生きる年。「試合が続く方がやっぱりやり易いです。今週来週と良い緊張を味わって、頑張ります」とナベさんは柔和な笑みを浮かべた。