7バーディ、1ボギーの「66」でプレーし、首位に1打差の単独2位と好スタートを切ったのは飯島宏明だ。
1971年生まれの飯島は、2001年の開幕戦「金秀シニア 沖縄オープン」でシニアデビュー。ルーキーイヤーは、「日本シニアオープン」3位、「日本プロゴルフシニア」8位タイなどで賞金ランキング19位に。2シーズン目の昨年は、「ノジマチャンピオンカップ箱根」(4位)、「日本プロゴルフシニア」(10位タイ)、「いわさき白露シニア」(2位)と3試合でトップ10フィニッシュ。賞金ランキング10位に入っている。
今シーズンは、開幕戦の「金秀シニア 沖縄オープン」で8位タイに入ると、2戦目「ノジマチャンピオンカップ箱根」で10位タイ、3戦目「スターツシニア」は52位タイに終わったが、先週の4戦目「ファンケルクラシック」で3位タイ。好調を維持して今大会に乗り込んだ。
「先週からショットもパットも調子が良く、2日目と最終日はノーボギーでした。左にミスする怖さがなく、特にショートアイアンはイメージ通りに打てています」と飯島は頬を緩める。
昨年の後半から上位フィニッシュが目立つが、左にミスすることが多く、昨年からショットに悩んでいたそうだ。復調のきっかけになったのは、6月に開催された「スターツシニア」での尾崎健夫のひと言だった。
「ドローが持ち球の私は、元々ダウンスイングで体が起き上がり、ルックアップ気味に打つクセがあるのですが、ジェットさんに『体の残し過ぎはよくないぞ』とアドバイスをもらいました」。
「スターツシニア」を終え、次戦「ファンケルクラシック」まで約2か月。その間、体の回転を止めずに振れるようにスイング修正に取り組んだ。試行錯誤を繰り返し、希望の光が見えたのは「ファンケルクラシック」の練習日だった。
「ダウンスイングで左サイドに体重を乗せ、下を向いたまま左腰を切る。このイメージで振るようにしたらスムーズに回転でき、左にミスする怖さがなくなりました」。
「ティショットが多少曲がっても、パーが獲れると思えるくらい、今日は自信を持ってアイアンが打てた」という飯島だが、明日の意気込みを聞くと「甘いものじゃないのは分かっています。ですが、良いスタートが切れたので1打でも縮めたい」と言葉を選びながら答えた。
慎重になるのは、昨年の最終戦「いわさき白露シニア」の苦い思い出があるからだ。通算11アンダーで並んだ渡部光洋とのプレーオフ。ティショットでフェアウェイをキープしたが、2打目でまさかのチョロを打ってしまう。ラフからの3打目は、グリーンサイドのバンカーにつかまり、しかも目玉になっていた。4打目でグリーンに乗せて2パットのボギーとし、パーをセーブした渡部が勝利を収めている。
「フェアウェイのど真ん中からチョロしました(笑)。気合が入っていたのもありますが、体が起き上がったのがミスの原因でしょうね。あの試合のプレーオフは18番のパー5。今大会の最終ホールもパー5なので、チョロを打たないようにしないと。スプーンをしっかり練習しておきます」と気を引き締める。明日は初優勝がかかった大一番。ショットのキレが戻った飯島のプレーに注目したい。