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シニアツアー

〈マルハン太平洋シニア/前日〉前年覇者・藤田寛之、思い出の舞台で連覇に挑む

2023年08月25日

 今季シニアツアー5戦目「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」が26日、27日の2日間、静岡県御殿場市の太平洋クラブ御殿場コース(7,020ヤード・パー72)で行われる。出場選手には倉本昌弘(67)、高橋勝成(73)、芹澤信雄(63)、藤田寛之(53)、宮本勝昌(50)、片山晋呉(50)をはじめとするプロ84名と著名人や太平洋クラブ所属のアマチュア54名が出場する。

 藤田寛之にとって、ディフェンディングチャンピオンとしてシニアの大会に臨むのは2回目となる。 

 1回目は、今年6月に開催された「スターツシニア」だ。昨年の同大会でシニアツアー初勝利を挙げた藤田。今年の大会では、単独トップのデービッド・スメイルと5打差の3位タイで最終日を迎えた。

 最終日は、前半に4つのバーディを奪ってスメイルを猛追するも、13番、14番の連続ボギー。その後、15番、17番、18番でバーディを奪ったが、5バーディ・ノーボギーでプレーしたスメイルとの差を縮めることはできずにホールアウト。大会連覇を達成できなかった。

 「2連覇を狙えるのは自分だけ』と挑んだ大会でしたが、スメイルが独走状態だったので、優勝はなかなか厳しかった。それでも、スコアを伸ばして2位で終われたのはよかった」と、「スターツシニア」を振り返った。

 今回の「マルハンカップ太平洋クラブシニア」は、再び訪れた“大会連覇”のチャンスだ。

 昨年大会は、最終日に首位と1打差の7位タイでスタートし、1イーグル・5バーディ・1ボギーの「66」でプレー。通算9アンダーとスコアを伸ばし、逆転でシニアツアー2勝目を飾っている。

 「初日からショットの調子が悪かったのですが、5~8メートルのミドルパットが3回くらい入ってくれた。それが最終日の『66』に繋がりました」とシニアツアー2勝目を挙げた昨年大会の勝因を語った。

 シニア入りしてから今年で4年目の藤田だが、2020年のデビュー戦が「マルハンカップ太平洋クラブシニア」だった。当時は、シニアならではの空気感に戸惑った部分があったそうだ。

 「初日は芹澤(信雄)さん、手嶋(多一)さんと同組で、シニアツアーの楽しい雰囲気にスッと入れたと思っていました。しかし、2日目になると一気に真剣な雰囲気に変わったんです」。

 2日間競技の本大会、初日に「65」を出して単独トップに立っていた藤田は、「2日目はパープレーなら勝てる」と考えていたそうだ。しかし、その予想は外れ、2日目にアンダーでプレーする選手が続出。「72」でプレーした藤田は、結果3位タイでデビュー戦を終えることになった。

 「シニアには、ONとOFFがあるんです。そのスイッチの切り替えをどこですればいいのかが分からなかった。レギュラーツアーはONにしたまま頑張ればいいのですが、シニアツアーはそれだけでは対応できません。ギャラリーとの距離も近いですしね。もちろん、真剣モードでプレーする選手もいますが、『楽しもうぜ』という選手もいます。どこかでOFFをつくる余裕が必要なんです。諸先輩方の領域にはまだ達していませんが、その感覚にもだいぶ慣れてきました」。

 シニアツアーの独特な雰囲気に慣れ始めた藤田の賞金ランキングは、現在6位。今シーズンの目標を聞くと、「賞金ランク4位以内」という答えが返ってきた。

 「4位までに入れば、来年の全米プロシニアと全米シニアオープンに出場できます。今年は、海外シニアメジャーに3試合出場しましたが、あの素晴らしい舞台でまたゴルフがしたい。狙えるポジションにいる間は、そこを目指します。そのためにも、今大会はひとつでも上の順位で終えたい」と力を込めて語った。