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シニアツアー

〔Fancl Classic/FR〕細川和彦は逆転負けの2位でも、来年こそはチーム髙橋のメンバーとして大会に名を残したい

2023年08月21日

 細川和彦にとって3度目のファンケルクラシック。第2ラウンドを終え連日首位の座を守り、完全優勝という快挙も達成できる好位置で最終日を迎えた。

 最終ラウンドは2打差2位の宮本勝昌、片山晋呉という実力者と同組でスタート。細川は2番パー5で3メートルを沈めると、6番パー4ではグリーン手前からピンまで5メートルをしっかり読み切ってバーディーを重ねた。2位の宮本は前半3つスコアを伸ばしたので、細川とは1打差に迫ってきた。

 ターン後の10番パー5では、宮本が5メートルを先に沈めて首位に並んだが、細川も負けじと3メートルのバーディーを入れ返し1打差を死守する。しかし細川はパーセーブを目指す苦しいゴルフが続いてしまい、15番で宮本に逆転を許した。16番パー4では宮本がティーショットを曲げながらもしっかりパーセーブ。このあたりから宮本に流れが向いて、結果は優勝スコアに3打差をつけられ逆転負けを期してしまった。

 細川は「宮本を見ていたら、自分の初日のようなゴルフ(65ストローク)をしていたと思うし、勝つ時ってそういうもの。自分のゴルフも悪くないので、自分が崩れたわけじゃないです。宮本がすごく良いゴルフをしていました。その辺りは納得していますし、去年(71位タイ)とは大違いかなと」と受け止めた。

 昨年大会からは次男の和秋さんが帯同キャディとして、連日父のプレーを支えていた。「今日も楽しんでいましたね。去年より良いよとか、トップ10に入ればいいよと言ってくれて、気持ちが楽になりました。お小遣いですか?今度の旅行の足しになるように少しあげようかな」と笑い、息子のサポートに喜びを感じていた様子も見受けられた。

 それでも本音は『優勝』の二文字が欲しかったのは事実。ファンケルクラシック初代チャンピオンで出場皆勤賞、そして最年長出場選手の髙橋勝成をリーダーとする「チーム髙橋」メンバーである細川は「歴代チャンピオンの髙橋さんを目標に、次回この大会で名前を刻みたい」と気持ちも新たにする。髙橋は「今回は宮本くんの方が良いプレーでしたが、細川くんはベストゲームができたのではないでしょうか。この経験は必ず次に生きますから、まだまだチャンスはあります」と優勝を逃した細川をねぎらった。

 そんなチーム髙橋のリーダーは、今年のファンケルクラシックでも2度のエージシュート、シニアツアーでは32回目の快挙を達成。しかし本人は「全然満足はしていません。3日間の大会はアンダーパーで終わりたかった」と悔しさをにじませる。そんな髙橋の高いモチベーションを共感することが、細川のやる気にもつながっている。「悔しかったですけど、楽しかった。来週のマルハン太平洋シニアに向けて準備をして、気持ちを高めていきたい」。細川が初日に65をマークして獲得したベストスコア賞の賞金は、「チーム髙橋の食事会で使うことになりそうですね」と細川は頭を抱えたが、チームの存在には感謝を忘れずにいるのである。