今年6月に50歳の誕生日を迎え、ファンケルクラシックでシニアツアーデビューを飾ったシニアルーキーの伊藤修司が、第2ラウンドで1イーグル3バーディーしかもノーボギーの67をマークし、5位タイに浮上した。
伊藤は3月に行われたシニア最終予選会を6位で通過。ファンケルクラシックで念願のシニアツアー参戦を叶えることができた。第1ラウンドのスタートホールでは「心臓が口から飛び出そうなくらい緊張しました」と笑うが、ルーキーぽさを忘れず、攻めのプレーを心に誓って裾野に挑んだ。3バーディー・3ボギーのイーブンパーという結果には「3パットを2回しましたが、マネジメントとしてはうまくいった」と振り返った。
第2ラウンドの同組には、普段から親しくしている飯島宏明とのラウンドで「優しい先輩と一緒だったので、のびのびプレーさせてもらいました」と笑みをこぼす。前半はパー行進が続いたが、9番パー5では刻んだサードショットはグリーン奥のバンカーへ。この難しいバンカーショットをピン1メートルの距離につけ、パーセーブ。強い緊張感を乗り越えたことが、良い流れを生むきっかけになった。
後半スタート10番ホールでは10メートル、続く11番でも5メートルのバーディーパットを沈める。13番パー4(427ヤード)ではセカンド残り125ヤードをピッチングで打つと、同組の飯島を「入ったね」と言わしめる完璧なショットで手前からカップインイーグルを決めた。最終18番パー5でもバーディーを重ねて、終わってみれば通算5アンダーで5位グループにルーキーとして名前を連ねることができた。
伊藤の得意クラブは300ヤードを運べるドライバーショット。しかしシニアツアーでは飛距離がアドバンテージになるわけではないことも、先輩たちから聞いていたので「シニア入りに向けて、自分が一番力まない9番アイアンを中心に練習を重ねた」と明かしている。
「あとは気負わないことかなと思います。緊張するとプレーがバリバリになっちゃうので、そこは自分のリズムをどう守るかがテーマです」。
最終ラウンドは最終組の一つ前で、同スコアだった飯島と再び同組。「今日はゆっくり風呂に入って過ごします。どうせ緊張して早起きするかもしれませんが、自分のゴルフを信じてやってみます。飯島先輩とのペアリングなので、気負わずやりたい」。首位の細川と4打差は逆転優勝の可能性も充分ある。伊藤がレギュラーツアーで叶えられなかった優勝も、シニアデビュー戦で一気に視野に入ってきたルーキーの活躍にも注目したい。