ファンケルクラシックで唯一の出場皆勤賞(最多回数出場者)、そして最高齢選手といえば、髙橋勝成(73)しかいない。第1回大会が2001年にスタート。高橋は初代チャンピオンであり、大会を3連覇するという脅威の強さを誇る。「ファンケルクラシック第1回目の時は、家族とのすごく良い思い出があって、今でも鮮明によみがえります。自分の子供がそばにいるような感覚でいられますし、23年前の試合が昨日であったかのように思い出せる。大会には感謝しかないです。家族の絆を強めてくれた大会なんです」。言葉をかみしめながら、当時をそっと振り返った。
大会3連覇がかかった2004年大会の一週間前に、愛息が白血病で8歳という若さでこの世を去ってしまった。高橋は悲しみに暮れる中で決意した出場は、家族に捧げるドラマチックな優勝で、家族という存在を強固なものにした。高橋にとってファンケルクラシックは「家族の絆」を象徴する大切な大会なのだという。
髙橋はシニアツアーで多数のエージシュートを達成していることでも知られ、65歳の時に65ストローク(マルハンシニア第2ラウンド)をマークしたことから始まり、これまでに30回もの記録を樹立している。「エージシュートは一つの楽しみではありますよね。本来はそこを目標ではなくて、3日間ちゃんとやる、みんなと競い合うというのが大事。元気であればそういうことも実現できる。普通のスコアで回っていたらダメなんです。73歳ですが、アンダーパーで達成したいというのはあります」とこだわりもある。それが大会の出場を続けるモチベーションのひとつになっている。
「やっぱり健康が大事。健康だったらなんだって出来ると思うんですね。健康だと元気も出る。元気があれば夢もかなえられる」という人生観を抱えて前を向く。「ゴルフやっている人もやっていない人も、ゴルフは健康的で元気でいられるスポーツなんだって感じてもらえたら嬉しい。ゴルフを通していろんな人の輪が生まれますからね。ぜひファンケルクラシックでゴルフの面白さとか素晴らしさが伝わるといいですね」。
高橋は大会前日に行われたプロアマ戦からしっかりとゴルフを味わい楽しんで、大きな笑顔を見せた。今年で22回目の出場となる大会でも、新たな希望と夢を与えてくれるはずだ。