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シニアツアー

【スターツシニア/FR】藤田寛之が渾身のプレーで66をマークし2位に入り、世界シニアメジャーへ経験をつなぐ

2023年06月18日

 首位デービッド・スメイルとは5打差からスタートした前年覇者の藤田寛之(54)は、渾身のプレーで66をマークしたが、スメイルに逃げ切られて、2位で大会を終えた。「前半で誰かが追い上げて、おっと思えてもらえるような展開が期待されるんだろうなって思いながらやっていたのですが、後半は失速してしまって、自分のポジションを守るのに必死になってしまいましたね」と悔しがる。

 最終ラウンドは、2番パー5でバーディーを先行させると、4番パー5で5メートルのラインを読み切り2つ目のバーディーを決め、6番パー4ではピン奥から5メートル、続く7番パー5では、バンカーレーキに当たって止まったラフからのショットが1メートルに着き、テンポ良く連続バーディーを重ねた。

 バックナインに入ったところで「ショットのイメージが悪い感じがあった」と不安な気持ちを抱えながらリズムに乗り切れず、13、14番と難易度の高いホールで連続ボギー。続く15番でバウンスバックに成功し、さらに上がり2ホールでバーディーを重ねるもトップとの大差は最後まで詰められなかった。

 藤田は「最終ホールをパーで上がったなら、帰りの車はつらい気持ちだったかなと思うのですが、トータル5アンダーでしたしね、恥ずかしくないスコアですよ」と自分を納得させる。スターツシニアに特化すれば、昨年優勝した大会から102ホールノーボギーでゲームを進められたということは、来年のゲームは良いイメージで向き合うことができるのである。

 6月29日から開幕する全米シニアオープンに向けて、藤田はワクワク、ドキドキする気持ちをひそかに抱えている。「シニアライフのピークをもう一度作りたいと考えているので、色々やってますけれど、海外シニアメジャーに向けては気持ちの上ではまりこまないようにというのが率直なところです」と自重している。

 これまで積み上げてきた成功と失敗体験があるからこそ、54歳という中堅シニアエイジを冷静に見ているのが藤田。「好きなことを味わう時間を作って、プロゴルファーという仕事も楽しみたい」と、今日の結果をポジティブに捉え、藤田は好奇心を高めるシニアライフを楽しんでいくのだろう。藤田が最終日にまとったスターツカラーのコーディネイトは、ファンの目には藤田らしい優しさにあふれたホスピタリティとして映っていた。