今季シニア第3戦「第23回スターツシニアゴルフトーナメント」の第1ラウンド。6アンダー首位に秋葉真一(57)、宮本勝昌(50)、デービッド・スメイル(53)が並ぶ。1打差5アンダーには沢田尚(54)、塚田好宣(53)、昨年賞金王のプラヤド・マークセン(57)が続く。シニアデビューを飾った片山晋呉と前年覇者の藤田寛之は4アンダー7位グループに着けている。
<秋葉 真一 関文グループ 65(33・32)>
「同伴競技者に恵まれましたって言えって言われましたが、いつも一緒にラウンドするメンバーなので回りやすかったんですよね」とホールアウト後、秋葉真一(57)は言葉を弾ませた。2番パー5はアプローチで寄せた1.5メートルを沈めてバーディーを先行。続く3番パー3でグリーン右につけた10メートルを入れて連続バーディー。7番パー5では左から3メートルが入り前半で3つスコアを伸ばす。後半では11、12番と連続バーディー。14番をボギーとしたが、16、17番でもバーディーを重ねて、堂々の6アンダー首位スタートを切った。
秋葉は昨年大会で初日に67を出しているが、「そうでしたね。だけどその後スーッと落ちてしまった」と本人には苦い思い出。それでも大会初出場した2016年で4位と健闘し、2019年の8位など上位フィニッシュを決めている相性も悪くない大会だ。
「ショットが良くないんです。ずっと行き当たりばったりというゴルフが続いている」と秋葉には苦悩もある。ショットの不調は昨シーズンから続いている。「左に行くのが怖くてどうしても触れない。うまく体の正面でとらえようと思ってはいるんですけど、今日はまあ、ポーンと打とうと思ってやってみて。結果良かったです」と復調の兆しも見える。
このコースは井上誠一氏設計した最後のゴルフ場ということもあり、一見広く見えるフェアウェイも落としどころが難しく、自然の傾斜を生かしたレイアウトが特徴だ。だからこそティーショットのフェアウェイキープはスコアメイクに必須条件。秋葉も「フェアウェイに行くようになった安心感と、同伴プレーヤーとの居心地の良さと、長いパッティングが決められた運があったから」と好調の要因を分析している。「なんとか粘っこいゴルフでついていきたい」と口にし、この好発進を生かしたいところだ。
<デービッド・スメイル ゴルフ問屋JOGS 65(33・32)>
ニュージーランド出身のデービッド・スメイル(53)が8バーディー・2ボギーで回り6アンダー65ストロークで初日首位スタートを切った。先月誕生日を迎えたばかりのスメイルはシニアツアー4年目に突入。レギュラーツアー5勝を挙げている強者も、シニアツアーではまだ勝ち星はない。
昨年大会では初日64をマークして、今年同様トップに立ち2位という成績を残し、相性のいいコースでもある。イン10番ホールスタートから出て、前半で3つのバーディー。ターン後の1、2番でバーディーと4連続と流れを作る。3番パー3でボギーにしたが、4番パー4では1メートルにつけてスコアを戻した。その後もショットが冴え後半は3つスコアを伸ばした。「18ホール、ビジーだったよ。だけど息子のチャーリーがサポートしてくれているから、とても助けてもらえた」と目を細める。昨年同様、息子が帯同キャディを務め、父に精神的な安定を与えている。「ラウンド中に3回、アドバイスしてもらったのが的確だったかな。このコースはとても戦略的で面白いし、相性が合う。ドライバーショットの修正ができれば、明日も楽しめそう」。
スメイルはゴルフに集中できる環境を求め、今年はニュージーランドと日本を往来する。「アイアンの精度を上げることにフォーカスした練習成果が、少しずつ出てきました」。スメイル親子は二人三脚でスターツシニアを楽しんでいる。
<宮本 勝昌 シーミュージック 65(32・33)>
レギュラーとシニアの両ツアーで今年も活躍が期待される宮本勝昌(50)が、7バーディー・1ボギーの65をマークし、6アンダー首位グループに入った。宮本は「調子はあまり良くないんですよ。ショットがイメージ通りにいってない。井上誠一氏の設計コースは、特にグリーンの傾斜が強いので、手前に着けないといけないのですが、左奥に行ってしまい、苦しい時間が続きましたね」と振り返ったが「こんな状態でも90点くらいは出し切れたかな」といい、首位スタートに安堵した様子を見せた。
宮本は今年5月に渡米し、海外シニアメジャーである全米プロシニアに参戦。10位という成績に「海外でも通用する手ごたえがあった」と好感触を得ている。海外シニアに出場するためには、日本シニアツアーでシーズン賞金ランキング4位までには入りたい。「結果を出して、上位で年間を終えたい。ランキングを気にしながらやっていきたいんです」と目を輝かせる。「まずは良いプレーをすること。結果、上位争いに加われるということですから」。
「大好きな米国で戦ってみたい」と新たな目標を打ち出した宮本。まずは第一関門である初日のスタートダッシュを成功させたのだった。