シニアツアー第2戦目「ノジマチャンピオンカップ箱根 シニアプロゴルフトーナメント」が4月20、21日の2日間、神奈川にある箱根カントリー倶楽部(7,060ヤード、パー71)で開催される。
ディフェンディングチャンピオンの兼本貴司(52)をはじめ、倉本昌弘(67)や高橋勝成(72)、芹澤信雄(63)、深堀圭一郎(54)、井戸木鴻樹(61)といった強豪シニアが集結する。中でも大会初ホストプロを務める、昨年シニア賞金ランキング2位の藤田寛之(53)に注目が集まる。
「いやー、楽しみにしてました。はやく箱根がこないかなって待ち遠しかったんですよ」とトレードマークのビックスマイルが光る前年覇者の兼本貴司。「コースは最高のコンディションですよ。グリーンは綺麗だし、フェアウェイも整備されているし、ここに来るとゴルフの調子が良くなる感じがしています」と表情も明るい。
2022年大会は初日65、最終日67で回り、叩いたボギーは2つだけ。兼本は清水洋一とのプレーオフを制して念願だったシニア初優勝を飾ったのだった。例年バーディ合戦の見ごたえある戦いの舞台が用意されており、7000ヤードを超えるセッティングはロングヒッターには多少なりとも有利である。兼本はシニアツアーでも屈指の飛ばし屋として選手間でも一目置かれる存在で、300ヤードを超えるドライバーショット、得意の2番アイアンは250ヤードと異次元の飛距離を打てるプレーヤーだ。「去年は4番アイアンを使うマネジメントじゃなかったんですよ。225~230ヤードっていう距離感の中で出番がなかった。だけどこのコースはガンガンいってもいいかなって思っています」と確信しているようだ。
箱根特有の難グリーンを攻略するには「とにかくアンジュレーション、芽の読み、パッティングのタッチと知りたい情報とかやりたいことが多いです」と頭も悩ませる一方で、「流れに乗れなくても焦らないことだと言い聞かせています。もちろん去年のようにバーディーを先行させて、流れを作りたいですけど、そんな時こそ行き過ぎない、守りすぎないということに気を付けていきたい」と、前年覇者だけにしか理解できないテーマも生まれる。
今年で7回目を迎えるノジマチャンピオン杯では、秋葉真一が2勝(2016、2019年)を挙げているが、大会の連覇はまだ達成者がいない。兼本は「目標はね、立てないタイプなんですよ(笑)。だって、できなかった時が本当に悔しいから」とプロ選手にしては意外な答えが返ってきたが「その分、全力でプレーします。そして最終日、最終組で回りたいです」と笑みを浮かべた。兼本の第1ラウンドはシニアルーキー横尾要、藤田寛之という注目のペアリングが決定。1年振りに帰ってきた箱根でスタートするまでの待機時間と練習時間が、兼本に良い緊張感をもたらすだろう。