「今日は80歳、81歳の先輩方と一緒にプレーできて、すごく幸せです。ゴルフはいくつになってもできるスポーツなんだって感激しました」。佐野は優勝スピーチで嬉しさを伝えた。いつまでも元気な姿を見せてほしい、そしてプロゴルファーとしてゴルフの楽しさをアピールしてほしいと願いを込めて新カテゴリーが設けられた大会では佐野修一が初代チャンピオンに輝いた。3バーディー5ボギーの2オーバー74ストロークでのフィニッシュは、エージシュート達成というおまけ付きだ。
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元気でいたいという思いとは裏腹に、佐野は病気と闘っている。昨年12月に見つかったガンという診断は、健康に気を使っていた佐野にとって大きなショックだった。一日一回、ガンの進行を抑える薬を飲んでいるが、身体のだるさやほてりという今までに経験したことのない症状にも向き合わねばならない。「だけどね、手術する日にちも決まってね、5月の関東ゴールドも出たいし、そのために練習もしたいし、やることたくさんあるんだ」と声をはずませる。
ジャンボ軍団として一緒に練習していた東聡選手のシニア優勝にも刺激をもらった。「とんちゃん(東プロ)がレギュラーで優勝した時は、俺一緒の部屋で過ごしていたんだよ。またこうやって優勝のタイミングに巡り合うだなんて、あいつとはそういう縁があるんだよな」としみじみ自分の歴史を振り返った。
自衛隊出身の佐野は、若いころに鍛え上げてきた肉体と精神を持ち合わせているので、75歳という年齢を迎えても、少々の辛さも乗り越えられている。「これからも試合に出たいよな。プロ仲間に合えることが楽しみだもの。夜も一緒に酒のんだりして。来年もこの試合に声かけてもらって出場したいし、まだまだ頑張るよ」。トレードマークでもある佐野のビックスマイルが、表彰式の18番グリーン上で輝いた。