1アンダー12位からスタートした中山正芳(54)が第2ラウンドで4バーディー1ボギーの3アンダー69をマークし、通算4アンダーで2位タイに浮上。2020年に日本プロシニア優勝以来のシニア2勝目に向けて好位置につけた。
「全体的にアイアンが良かったですね。前半はほぼワンピン以内につきました」といい、3番ホールから3連続バーディー奪取とエンジンをかけた。8番パー3ではグリーンカラーから寄せきれず3パットボギーにしてしまったが、9番パー5でバーディーを獲りバウンスバックに成功。バックナインは雨で重くなったグリーンに悩まされながらもパーセーブを続け、アンダーパーで凌ぎ、首位とは2打差で最終日を迎えることになる。
中山にとって2023年は「シニア公式戦優勝者」というカテゴリーでシニアツアーに出場できる最後の年。2020年に日本プロシニア優勝というビックタイトルを手にし、その年は賞金ランキング6位につけることができた。翌年は全英シニアオープンに出場し、46位でフィニッシュ。たくさんの経験を持ち帰ってきたが、帰国直後、コロナ禍ということもあり海外渡航者はホテルでの隔離期間が求められていた。無事に陰性が証明され、解放後に調子を取り戻そうとしたトレーニングで、なんと腰痛を発症。参加予定だったファンケルクラシックは欠場を余儀なくされ、21年は賞金ランキング49位。その後も腰痛と向き合いながら22年は44位と思うような成績を挙げられていない。
しかし時間の経過とともに、一緒に練習こなすレジェンド高橋勝成を中心とした「チーム高橋」の面々とのトレーニングやフィジカルケアの成果も生まれ「こわごわやっていたのが、今年は体が痛いところが無いので、助かっています」と腰痛の苦しさから解放されつつあるようだ。「今年のオフは久しぶりに海外で合宿ができたんです。ベトナムやグアムでしっかりゴルフ漬けの日々が過ごせたんです。特に直近のグアム合宿では、今日以上の強い風を経験していたから、今日は精神的にも落ち着いていました」と柔和な笑みを浮かべた。
首位とは2打差があるが「なんとかこの位置に着けられて良かったです。苦手だったアプローチも、合宿を通じて手ごたえを感じています。僕はこう見えてノミの心臓なんですよ。楽しんでプレッシャーを乗り越えたい」。腰痛という苦しい状況と並行して、練習に練習を重ね、チームの仲間と一緒に成長を続けてきた。
練習は裏切らない。中山が成果を出せるステージは目の前に用意されている。