最終プロテストの第2ラウンドで63をマークし、一気に上位グループに名乗りをあげて存在感を示したのが、日本大学ゴルフ部出身のキャプテン・古川龍之介。アマチュア時代に2022年の日本アマで2位、世界大学ゴルフ選手権で優勝と数々の大会で好成績を示しているが、プロとして挑むこの大会でタイトル奪取を狙っている。
古川はマネジメントを徹底させようと心に決めて第1ラウンドのティーショットを放った。3ホール目の12番パー5では2オンを狙わずに刻む選択を取り、グリーンまで残り100ヤードをピンに絡ませてバーディーを奪取。前半はチャンスホールが来るのをじっと待った。
後半の2番パー5は唯一2オンができるホールだったが、ここでも刻む判断をし、残り100ヤードからバーディーチャンスにつけて2つ目のバーディー。続く3番パー4はティーショットをフェアウェイバンカーに入れてしまったが、これも想定内でセカンドはグリーンを捉え、ピンまで3メートルに着けて3つ目のバーディーを重ねた。良い流れは引き寄せられたがセーフティーに、そして慎重にゲームを進め、終わってみれば3バーディー・ノーボギーで首位の1打差と好位置で最終ラウンドに進出することになった。
古川にとって、富士カントリー可児クラブ志野コースは「大好きなコースなんです」と言わしめるほど相性がいい。先月末に同コースで行われたサードQTではトップ通過を果たし、第3ラウンドでもノーボギーゲームを達成していることから、コース攻略は頭の中に入っているのだ。「ピンポジションはかなりタイトでしたが、グリーンコンディションは素晴らしいので、ゲームの組み立てとしてはとにかくパーオンをすることを目指していました。冬芝は難しいので、アプローチは避けようというのも作戦。グリーンオンさせてロングパットで勝負をかけようと考えていました」と振り返った。
同期には今シーズンツアーで活躍を見せている中島啓太、平田憲聖、そして蝉川泰果といったメンバーがいる。古川は大学4年の時にスケジュールの都合でプロテスト受験が1年遅れたこともあり、なんとか1年分の挽回を示したいところ。PGA公式競技で優勝することで、仲間がプレーする「日本プロ」といったレギュラーツアー出場資格をなんとしてでもつかみ取りたい。