プロテスト合格者による「第24回 日本プロゴルフ新人選手権大会 富士可児カップ」が12月20日、21日の2日間、岐阜にある富士カントリー可児クラブ可児ゴルフ場志野コース(7,201ヤード/パー72)で開催される。新人戦は一生に一度しか出場できない貴重な大会で、優勝者には賞金100万円と来年の日本プロ出場権が与えられる。
「キャスコ花葉の支配人も泣いて喜んでくれました」と今年の最終プロテストに合格した宮城健太は照れながら話してくれた。2017年にティーチングプロ資格を取得。2018年からティーチングプロとして千葉県にある「キャスコ花葉CLUB」というゴルフ場に所属した。お客様へのレッスン、自分の練習と充実していた日々だったが何か物足りなさを感じていた。「昔、目指していたプロテストに挑戦してみよう」と翌年からティーチングプロ資格を保有する会員が対象のプロテスト選考会に挑戦した。
2019年のプロテスト選考会では2次予選の出場資格を獲得し、最終プロテストに進出。久しぶりに逸る気持ちが前面に出てしまい、4日間満足するプレーはできなかった。その後も挑戦を続けるが、2次プロテストで1打足りずに涙をのんだ。今年は35歳。年齢も考え「ここで決めないと」という強い思いで挑んだ。今年3月のプロテスト選考会ではトップ通過で、最終プロテストからの進出を決めた。テスト会場の登別カントリーには、テスト1か月前にひとりで練習ラウンドを申し込んだ。テスト当週も、かなり練習をやりこんだ。「ゴルフに対する情熱や気持ちを十分に持って挑みました」と振り返る。
最終プロテスト会場の印象は「自分のイメージに合ったコース」で、これまで積んできた経験値を生かせる気配が漂っていた。「2年前のプロテスト選考会後に、スコアの組み立てが上手くいくようになったんですね。自分を追い込まない、プレッシャーをかけないことが大事だとわかりました」と気づきもあった。最終プロテストでは自信をもって挑んだ結果、1アンダー37位タイ。念願の合格ラインに入ることができた。
「結果を出すことで、お世話になっている人に喜んでもらえることが、ティーチングプロという仕事の充実度に加え、トーナメントプレーヤーとしての仕事なんですね」と宮城は胸を張る。ちょうど10年前にプロテストに挑戦し始めていたころは、スコアを出すことにしか目がいかなかったが今は違う視点で物事を見ている。「自分の状況を俯瞰するようになりました。時間がかかりましたが、最終プロテストを経験したことは決して遠回りではなかった。2次プロテストで1打足りず、悔しい思いをしましたが、それは学ぶべき意味がありました」と受け止めた。
そして新人戦というフィールドに立った宮城は「日本プロを開催するコースなのでタフですが、グリーンも素晴らしいですし、気分良くプレーさせてもらえそうです。1つでも順位をあげて良い成績を収めたい」と明日から始まる試合に自らを鼓舞した。ティーチングプロ資格だけにとどまらず、トーナメントプレーヤー資格を獲得することは並大抵の努力では成し得ない。今、宮城はこの10年で大きく変化したゴルフ人生を謳歌している。