「Hitachi 3tours Championship2023」(日立3ツアーズ選手権)は、千葉県にある大栄カントリー倶楽部で12月10日に開催された。2023年の各ツアーを代表する最強プレーヤー計18名が集結。各ツアーの中でどんなチームペアが誕生するか、掛け合いも楽しみのひとつになっている。3ツアーを代表したチームのプライドをかけた熱い戦いも注目されるが、チャリティーイベントとしてこれまでに4億円を超える金額が拠出されている。注目のPGAチームは第5回(2009年)、第8回(2012年)、第14回(2018年)の3勝止まりということもあり、そろそろ4勝目を挙げてシニアの妙技を知らしめたいところだ。PGAチーム各ペアの戦いを振り返りながら、優勝争いを追ってみる。
◆ 1stステージ ベストボール方式
〇グループ1〔プラヤド・マークセンとI・J・ジャン〕
人気絶頂のJLPGAチームは双子で初出場の岩井明愛・岩井千怜ペア。JGTOチームは蟬川泰果・金谷拓実ペアという注目の対戦カード。PGAチームは3番でバーディーを獲ると、5、6番のパー5で連続バーディー。6番終了時点でスコアは1打差まで詰め寄っていたが、PGAチームはスコアを伸ばせず0ポイントと悔しい対戦に泣いた。
〇グループ2〔藤田寛之と山添昌良〕
スタートホールはJLPGA申ジエ・櫻井心那ペアがバーディーを先攻。2番から3連続バーディーで猛追するJGTO平田憲聖・宋永漢ペア。PGAチームはグループ1と同様3番で初バーディーがやってくる。5、6番パー5ホールでさらにバーディーを積み重ねる。6番終了時点で、PGAチームはJGTOチームに1打差と迫った。しかしJLPGAチームが怒涛のバーディーラッシュを繰り広げ、最終9番ホールでは櫻井がピン50センチに着けるスーパーワンオンでトドメのイーグル奪取で大逆転。PGAチームはJGTOチームとならんで1ポイントの加算となった。
〇グループ3〔久保勝美と塚田好宣〕
JLPGA小祝さくら・山下美夢有ペアが1番から3連続バーディーで攻勢する。負けじとPGAチームも3番から3連続バーディーと猛追。長打力のある塚田がイーグルチャンスと見せ場もつくりながら、6番終了時点で首位JLPGAチームに1打差まで詰め寄っていた。7番で塚田が外から長いバーディーパットを沈めてこれまで6つのバーディーを量産。久保と塚田が息の合ったプレーを展開したものの、JLPGAチームが最終9番ホールで1オン・イーグルのスーパーショット。後続を突き放し、すべてのグループで4ポイントをゲット。PGAチームは2ポイントを獲得して、後半戦に望みをつなげた。
◆
2ndステージ オルタネート方式
〇グループ1〔山添昌良とプラヤド・マークセン〕
岩井姉妹が前半からの好調なゲーム展開で6バーディー・1ボギーの5アンダーでホールアウトし,JLPGAチームが6ポイントをゲット。抜群のチームプレーを大観衆に見せつけた。PGAチームは4番でのボギーから流れに乗れず、8番のバーディーでスコアを戻すが、JLPGA、JGTOチームとはすでに大差。チームは2ポイントにとどまった。
〇グループ2〔久保勝美と塚田好宣〕
JLPGAチームは、ロングヒッターの申ジエ、櫻井心那ペアが安定のプレーを展開し、5バーディー・ノーボギーのゲーム運びに。塚田・久保ペアは前半と同ペアで好カードが期待されていた。テンポの良いプレーで5バーディーをゲットし、JLPGAチームと並んで堂々の5ポイントを獲得。JGTOチームの稲森佑貴・金谷拓実ペアは出だしのボギーが響いたのか、後半に入ってもスコアを伸ばせないまま1アンダーに留まり、2ポイントのみの加算となった。
〇グループ3〔藤田寛之とI・J・ジャン〕
PGAチームはスタートホールでバーディー奪取。その後はパッティングが決まらず足踏み状態に。JGTOチームの石川遼、宋永漢ペアは3番から4連続バーディーと畳みかけた。しかしPGAチームもあきらめない。5、6番パー5で確実にバーディーを連取したが7番をボギーに。最終9番もまさかのパッティングミスでバーディーは逃すものの、グループ3はすべてのペアで4ポイントという引き分けに終わった。
大会が終わってみれば1stステージで12ポイントと勢いに乗ったJLPGAチームが、2ndステージでも攻めの姿勢を忘れずにバーディーを量産して15ポイントを重ね、通算27ポイントと圧勝だった。PGAチームとJGTOチームは2ndステージで一進後退の攻防が繰り広げられていたが、JGTOチームが最終9番ホールでティーショットOBと大ピンチに。これ以上スコアを落とせないPGAチームは最終ホールをバーディー逃しのパーセーブ。ダブルボギーと苦戦したJGTOチームとはわずか1ポイント差で、PGAチームが総合2位の座を射止めたのだった。