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〔TCPゴールド/1R〕天気回復も味方につけたゴールドシニアデビューの曲山正廣が首位スタート

2023年11月07日

 ティーチングプロ資格を持つ68歳以上の会員34名が参加する「第3回PGAティーチングプロゴールドシニア選手権大会」(6,344ヤード/パー72)の第1ラウンド。コースには朝から雨が降り続き、トップ組を当初予定より2時間遅らせた。1オーバー73で首位に立ったのは、エージシュート達成した青木民也(76)と曲山正廣(68)。首位1打差の3位には金子時男(71)が後に続いている。大会三連覇がかかる谷中宏至(75)は78ストロークで9位と出遅れた。

 今年68歳になりゴールドデビューを果たしたのが曲山正廣。関東ゴールドシニア7位、日本ゴールドシニアでは大ベテランばかりの中で12位に入る健闘を見せている。

 普段は、福島県いわき市にある「荒川ゴルフクラブ」でレッスン活動に従事している。福島エリアではベテランプロとして、そして福島県プロゴルフ協会の会長としても活躍の幅を広げている。そんな曲山が、ティーチングプロゴールドシニアデビュー戦で73ストローク、1オーバーの首位タイで好スタートを切ったのは偶然ではない。

「今日は100点のゴルフでしたよ。年取ってからはしっかりと楽しくやろうと思っているんです。気負わずにやることが大事なんですよ」と落ち着いた面持ちで振り返った。ゲームは三の丸(イン)からスタートして、パーセーブで凌ぐプレーが続く。18番ホールでフライヤーを計算したセカンドショットをミス。このホールをボギーにしてしまった。しかし後半はショットの精度が上がり、流れも良くなってきた。5番パー3(182ヤード)では7メートルのバーディーパットを沈めた。続く6番で3パットボギーにしたが、7番ではセカンド残り148ヤードを7番アイアンで1メートルに着けるナイスショットでバーディー。上がり9番ホールをボギーと出入りのあるスコアではあったが、トータルは1オーバーでミスも最小限に収め、最終日は優勝争いの最終組で戦える位置に着けられた。

 試合だからこそゴルフを楽しくやりたい。曲山にとっては「どうやって楽しむか」が一つのテーマだった。初参戦した関東ゴールドシニア初日では、メンバーに恵まれ楽しすぎたので、自分のゴルフができなかったことを悔やんでいた。楽しそうにプレーをする先輩プロの姿には良い余裕があることもうらやましかった。「楽しみすぎるのも難しいところです。ただ今回は良い緊張感を楽しみながら、自分の世界に入れたのでスコアにつながりましたね」と、「楽しむ」という状態に少しずつ近づいているようだ。

 スタート時に降っていた雨も弱まって、プレーに集中できたことも好スコアの要因だった。「今年はすごく雨男なんですね。ラウンドレッスンを雨で中止にしたこともしばしばありました。あまりに雨に当たるので、9月上旬に東京にある『気象神社』にお参りしたんです。そしたら、今回みたいに不思議と雨がぴたっとなくなってね、ご利益があったような気がしています」と明かした。ゴルフは天候に左右されやすいスポーツ。曲山は『気象神社』の神様に手を合わせ、試合では好天をお願いしてきたようだ。

 さらに曲山にとっては、烏山城は地の利も生きた。「ここのコースは何度も回っているので、レーザー距離計を使わなくてもコースがわかりますよ。だからストレス少なく、楽しくプレーができたと思っています」と振り返った。最終ラウンドは快晴という天気予報が出ている。曲山がこの流れを生かせるかに注目したい。