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〔TCPゴールド/1R〕金子時男がグランドシニアから出場を続けて10年、首位1打差3位。満足のいくラウンドを達成

2023年11月07日

「グランドシニアに出場続けて、やっと10年目でスコアが出たよ」と満面の笑みでホールアウトしてきたのが金子時男(71)。60歳を過ぎてからもレッスン活動の傍ら試合に出場を続け、今回のラウンドで満足のいく18ホールのプレーが出来たようだ。

 強い雨の降りしきる中、三の丸(イン)からスタート。11、13番とボギーでスコアを落とすが、雨の止み始めた14番パー5で1メートルのバーディーパットでスコアを取り返す。17番パー5では傾斜を読み切り10メートルを沈めて前半をイーブンパーとした。本丸(アウト)では5番パー3でボギー。7番では3パットボギーにしてしまったが、長い距離のコースレイアウトでも全体の流れを崩さず、我慢を続け74ストローク、2オーバーでフィニッシュ。首位と1打差は優勝も狙える好位置につけることができた。

 この10年間、金子は怪我と向き合ってきた。数年前のシニアオープン予選会2日目に、左半月板を損傷。全治半年の大けがでゴルフもできない状況だった。さらに首から肩にかけてじん帯も痛めたことにより、筋力もどんどん低下した。「ゴルフができない身体で精神的にも辛かったですよ。そんな時に海外のYoutubeゴルフチャンネルで、身体に負担をかけないでもできるスイングの番組があって、これだったら何かできるかもしれないと、ずっと研究していたんです」と発見。じん帯の損傷によりゴルフで使える筋肉は限られた中で、腕力のトレーニングをスタート。5キロのダンベルを使い、5種類のトレーニングメニューをこなしてきた。

 金子はゴルフのパフォーマンスを上げようと探求心もどんどん深くなり、今度は偏平足改善のインソールを着用することで、身体のゆがみを改善。自然と背筋が伸びるようになり、身体も疲れにくくなっていると感じてきた。「もう4か月になりますが、姿勢の良い歩き方ひとつでゴルフが上向きになってきました。以前は後半までスタミナが持たないので、集中力も低下していたのに、今回はこのチャンピオンコースでも気持ち良くやり切れました」と表情も明るい。

 現在、東京・五反田で個人のゴルフレッスンを中心に活動しているが、来年春にビルの取り壊しが決まっており、レッスン環境を変えることになるという。「これまでゴルフを通じて得られた経験やゴルフの魅力を、レッスンを通じて伝え続けたい」と強い使命感もある。逆転優勝も狙える好位置に、金子はさらなる高みを目指す。