朝のスタートホールにはジュニアリーグ北関東ディビジョン・サブディレクターの中島孝之(55・A)、PGAジュニア選手権東北地区代表チームで2017年よりコーチを務める今野忠廣(58・B)の2名の姿があった。
地元茨城県で活動する中島はPGAジュニアリーグ・北関東ディビジョンのサブディレクターを務めており、自身でも3チームの監督を兼任している。
会場となる宍戸ヒルズカントークラブにも、スクールや水戸市少年団のジュニアたちとよく来場している。「ジュニアとはゴルフ場に来ていますが、子どもたちに付いていくだけなので、コース自体はわかるんです。ただ自分がプレーするとなると」。一緒に練習ラウンドした内田雅美(58・B)からも「俺の次にここから近いからな」と言われるほどである。地の利はあるが、試合になると状況が変わってくることもゴルフの難しさである。
中島は1998年に入会後、茨城県水戸市にあるエースゴルフスタジアムで20年ほど勤務した。レッスンはジュニアから高齢者まで多くの生徒を見てきた。ジュニア世代のレッスンに力を入れ始めたのは2010年頃になる。勤務先のオーナーが茨城ゴルフ連盟の理事長でジュニア部門の担当であった。オーナーが理事長職を退任するタイミングで「ジュニアはおまえに任した」と言われ、茨城ゴルフ連盟のジュニア担当になったそうだ。同じタイミングで長女萌絵さんも連盟のジュニアスクールに参加するようになり、中島自身としても連盟に携わろうという決断に繋がったようだ。これまでの教え子は佐久間綾女選手や、小学生時代の星野陸也選手らがいる。
現在は水戸市にあるゴル友練習場でメインにレッスン活動をしており、ジュニアスクール40名と、水戸市スポーツ少年団の12名を担当している。
2回目となるティーチングプロシニア選手権に向けて、「競技ゴルフは、今では趣味のようなものです。自分のゴルフよりも、ジュニアたちに頑張ってもらいたい」。趣味である試合への参加ではあるが、中島の2回目となる挑戦にも期待したい。
今野もジュニアゴルファーの育成に携わるようになったのは、息子であるプロゴルファー今野匠の影響があった。
現在、宮城県仙台市の虹の丘ゴルフプラザで約40名のジュニアゴルファーに育成を行っている。「基本的に平日ジュニアレッスンです。僕の今レッスンの基本はジュニア。一般のアマチュアゴルファーへのレッスンはジュニアの内容をより分かりやすくアレンジします」。ジュニアを教えるきっかけは息子あるプロゴルファー匠さんに教えることからスタートした。「最初は息子だけにしようと思ったんですが、強くする上で、他の子も教えること大切と思ってスタートしました」。今野のきっかけも自身の子どもを教えるために、ジュニアレッスンをスタートしたという、水戸と仙台ではジュニアで交流することもあり、練習ラウンドを一緒にする仲になった。
今野は2012年ティーチングプロ選手権で優勝している。「ジュニアとラウンドすることもあるので、高校生には飛距離で負けることもありますが、スコアは勝つ」。試合に出場するモチベーションもジュニアレッスンからきている。“ティーチングプロシニア選手権優勝という栄誉”は教え子たちへ最高のお土産になるはずだ。