「野萩カップ PGA後援2023」の第1ラウンドが9日、埼玉県にある鴻巣カントリークラブ(パー72、7,025ヤード)で開催された。トップに立ったのは4アンダーで永松宏之(フリー)と冨田幸暉(飛騨高山CC)の2名。3位タイには勝俣陵(JPアセット証券)、岡田絃希(日本植生)が続いている。第1ラウンドを終了し73ストローク(+1)50位タイまでの63名が最終ラウンドに進出した。
PGA後援競技として昨年スタートした「野萩カップ PGA後援2023」には、今年総勢126名もの選手が参加している。優勝賞金240万円、さらに今年7月の日本プロゴルフ選手権大会出場権と第20回埼玉オープンゴルフ選手権大会出場権が与えられるビックトーナメントに、選手も目の色を変えて試合に挑んでいる。
第1ラウンドで68をマークし、4アンダー首位に立った永松宏之。1イーグル4バーディー2ボギーという内容には、本人も大満足。「実は練習ラウンドができなくて、コースはyoutubeでイメージトレーニングしただけなんですよ」と苦笑い。スタートした10番パー5ホールをバーディー発進とすると、13番パー4ではティーショットを右に曲げたことでボギー。しかし16、18番をバーディーでスコアを伸ばすと、後半では8番パー5でグリーン左奥の15ヤードアプローチがカップイン、一気に首位グループに入った。「きわどい距離のパッティングが全部決まってくれた」と一日を振り返った。
普段は千葉県のゴルフ場でラウンドレッスンを中心とした活動をしているという永松。「一緒にラウンドをしていただいた方々が、今日もゴルフは楽しいって言ってくださると本当に嬉しいんです」とトレードマークの笑顔が光る。「ゴルフって練習したからっていって、その通りにできることでもないですし、かといって自分に過度な期待ができるわけでもない。最近はコンディションを見極めて、その日の自分というものを受け入れられるようになりました」と割り切りというよりも、ポジティブ思考が強いようだ。「スポンサーしていただいている方々に良い報告をしたいです。そのためには最終ラウンドでも、自分のベストを尽くしたうえで、次につながる結果を得たいんです」。最終ラウンドもポジティブシンキングでやってみるしかない。
同じく第1ラウンドを68ストロークでホールアウトしたのが、今年1月にPGAメンバーとなり、3月には中部学院大を卒業し、プロ1年目を迎えている冨田幸暉。5つのバーディーを奪取。1つのボギーはご愛敬というところだが、堂々の4アンダー首位スタートを切った。
昨日の指定練習日は、大学の先輩でもある纐纈プロとツーサムで有意義な時間を過ごせたという。「先輩からもっとシャフトのしなりを意識してスイングしてみればとアドバイスをいただけたのですが、そしたらラウンド後半から飛距離が20ヤード近く伸びたんですよ。しっかりクラブが振れるような手ごたえがあって」と好調を明かした。1番パー4のチップインバーディーも運が味方しているが、冨田は締まった硬いグリーンに順応できる、ショットを使い分けられる高い技術も持ち合わせている。
中部学院大学時代に冨田とプロテスト同期合格した3名の中には、先月中日クラウンズで活躍した(6位タイ)ゴルフ部キャプテン服部雅也の存在もある。「一気にスターになっちゃいましたよね。仲間の活躍は自分の大きな励みになっています」。それ以上の言葉は要らない。大学卒業して、プロゴルファーを職業に選んだ一年目。地元で所属させてもらっている飛騨高山カントリークラブへ吉報を届けることと、同期のプロ仲間と一緒に戦いたいと冨田はただ切望している。