PGAジュニアリーグは3シーズン目を迎え、2地区の新規ディビジョンが加わり、チーム数も東日本地区31、西日本地区13と日本全国に広がりを見せ始めている。
ポストシーズンを勝ち上がってきた2チームによる最終決戦となる「チャンピオンシップ」は12月11日、千葉・総武カントリークラブ・北コースで開催された。東日本代表には、千葉ディビジョンから進出したSI-NF(エスアイ・エヌエフ)。対する西日本地区には、兵庫ディビジョン代表の「アマバンド&スポーツA」。澄み渡る青空の下、ジュニアリーグ選手たちは表情を引き締め、決戦に挑んだ。
両チームは、アスリートゴルファーの育成に重きを置いていることもあり、当初からハイレベルな戦いが予想されていた。
東日本地区代表 SI-NF
西日本地区代表 アマバンド&スポーツA
総武カントリー倶楽部のご配慮をいただき、練習は北コースと印旛コースの一部スペースを利用することができた。のびやかな環境の下、選手は戦いに向け準備を整えた。
試合はマッチ戦(ペア対戦)のスクランブル方式。3マッチを1つのフォーマットとしている。1マッチは3ホールを3回、計9ホールを戦う。3ホールを1フラッグと呼び、フラッグごとの勝ち・負け・引き分けでポイント数が変わる。ポイントを重ね、各フラッグ、各マッチでの総ポイントが、最終的にチームの得点につながる。監督、コーチ含め、熱戦が繰り広げられた。
バーディーでも分けるホールがあれば、パーセーブでしのぐ場面も続く。全力で挑んだ3マッチ戦いは、一進一退の攻防が最後まで続いた。
1マッチ目は8ホール目まで両チームタイポイント。最終ホールで「アマバンド&スポーツA」がバーディーパットを沈め、ポイントをゲット。「SI-NF」1ポイント、「アマバンド&スポーツA」が2ポイントと好ゲームが展開された。
2マッチ目も、1マッチ目と同様に両チーム8ホールまで譲らない緊迫した試合が続く。最終ホールで、またもや「アマバンド&スポーツA」がバーディーを決め「SI-NF」1ポイント、「アマバンド&スポーツA」が2ポイントを獲得した。この時点で、「SI-NF」2ポイント、「アマバンド&スポーツA」が4ポイントと差がついていた。
3マッチ目は両チームともエースを揃え、緊張が走るゲーム展開となった。ポイント分けが続いていた状況を打破したのは、「SI-NF」のエースコンビ。力を合わせてラインと傾斜を読み切り、2メートルほどのバーディーパットを決めた。思わずガッツポーツがでた。3マッチ目の最終ホールで「SI-NF」の優勝が決まった。
東日本地区5ポイントVS西日本地区4ポイントという数字は、最後までどちらも勝利をゆずれない実力が拮抗した証である。
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コロナ禍で応援も制限される中ではあったが、チームメイトや監督コーチといった身内の熱い想いがチームを団結させる力になった。「SI-NF」チーム監督を務めた平塚とも幸プロは「普段は個人だけで力を蓄えてきた選手たちが、チームプレーを通じて色々なことに気づかされました。この経験を基に、これからのゴルフ人生に生かしてもらいたいですし、必ず役にたつと信じています」と話す。スポーツを通じて得られるのは、勝ち負けの感動を味わうだけでなく、それまでに培ってきた友情や協力、努力といった目には映らない、人間の営みを知ることでもある。
「試合形式となると、子供たちは頂点を狙うモードになってしまうのですが、ゴルフを通じて色んな経験を重ねてもらいたい」。念願の優勝タイトルを手にした選手たちが喜ぶ姿に、平塚監督は目を細めた。
2022年もたくさんの新チームが誕生し、ジュニアリーグが各地区で熱い戦いを見せてくれることを期待する。
https://youtu.be/LMa4qRNTuCY