PGAの社会貢献活動のひとつ『2023PGA HANDA CUP ・フィランスロピー障がい者ゴルフ大会』が10月10日に若洲ゴルフリンクス(東京都)で開催された。競技は上下肢・聴覚・内部・視覚(全盲・弱視)に障がいを持つ102名が7つの部門に分かれ、18ホールストロークプレーの新ぺリア方式による個人戦で行われた。国際スポーツ振興協会との共催で、賞品は日本ゴルフ用品協会、サッポロビール株式会社からご協力をいただき盛況のうちに大会を終えた。
当日朝、コースには澄み切った秋空が広がった。選手は一年に一度の若洲ゴルフリンクスで行われる大会を楽しみにしていた様子だ。これまではコロナ禍ということもあり制限していた9ホール・ストロークプレー競技も18ホールに戻したことや、表彰パーティーの開催も予定され、参加者には懇親の機会もより広く設けられた形となった。 大会ではPGA会員がプレーのサポート役として、ラウンドレッスンやスタート説明、アテストのサポート業務に携わり、今年はプロボランティア55名(東京地区21名、神奈川地区10名、千葉地区12名、公募12名)と大勢のプロが会場に集結し、選手と一緒にゴルフの魅力を味わった。 会場にはご協賛をいただいたサッポロビールより、千葉工場の工場長や物流部門グループ会社の方々が運営サポートしていただき、大会の盛り上げに力添えをいただいた。
今回初めてプロサポートに参加した河野翔太会員は、神奈川県平塚市にある湘南グリーンゴルフをメインにレッスン活動をしている。1年半前に独立したことを機に、新しいことには積極的に取り組もうとエントリーした。担当した組は下肢障害の組で、ティーチングプロで下肢障害のある吉田隼人会員と2名体制でラウンドサポートをする機会となった。「素晴らしい大会でした。選手のみなさんが、こんなに目を輝かせて、ゴルフを心の底から楽しんでいる姿が見られました。私たちよりも楽しそうだし、ゴルフはもっと自由なゲームだと思いましたね」と笑顔を見せた。
河野会員は「吉田プロが、障がい者は健常者よりもより自由だと感じることが強いので、ゴルフの不自由なスポーツを大いに満喫しようという、ポジティブな心情があるというのです。だからみなさんの楽しんでいる気持ちが全面に現れていて、私たちも嬉しくなりますし、一緒に上達を目指したいという気持ちになりますね」と新しい感情も生まれたようだ。 ティーチングプロA級として活動を展開するにあたり、社会人の幅を広げるためには、たくさんのゴルフ事情を知りたいという思いもあるようだ。「スクールでは、ご年配の方や大病、ケガをされている方と接することも多いので、相手の立場をどう考えていくのかという場面にも遭遇します。ただ、ゴルフを楽しみたいという共通の思いの中で、プレーを円滑にするためには、きちんと要所を伝えることが大事なんですね」。河野プロにとっても有意義な時間だったことに違いない。
上肢部門の競技サポートに携わった岡野義陸会員も、初めての障がい者ゴルフ競技を目の当たりにして「ティーチングプロの講習会では講師の方々が口をそろえて、障がい者ゴルフからは学ぶことがたくさんあるという話を聞いていたのですが、技術的な部分も含めて、たくさん勉強させていただきました」と振り返った。「同行した組の選手は、左腕だけでクラブを使っていたのですが、ゴルフ教本に示されている通りの左サイドの使い方で、理にかなったスイングでした。田村選手は230ヤードは飛ばしていましたし、100ヤードをピッチングウェッジで1メートルにつけてバーディー。左の使い方は、私もレッスンの軸にしている部分でしたから、目の前で実践プレーとして証明されて、ほんとに素晴らしいと感じました」。ゴルフスキルの高さに岡野会員も感激していた様子だった。
表彰パーティーでは芹澤信雄PGA副会長が冒頭で挨拶。「みなさん一人一人が、存分にプレーを味わったことと思います。PGAプロのレッスンを通じて、もっとゴルフを上達したい、楽しみたいと感じていただければ大会の大きな成果でもあります」と言葉を弾ませた。日本プロゴルフ協会は、社会貢献活動として障がい者ゴルフの支援を続けていきます。
◆ 成績は こちら>>(PDF)
◇ 大会の模様は 日本プロゴルフ協会facebookページ でもご覧いただけます