PGAの社会貢献活動である『2021PGA HANDA CUP ・フィランスロピー障害者ゴルフ大会』が10月26日に若洲ゴルフリンクス(東京都)で開催された。競技は、上下肢・聴覚・内部・視覚に障害を持つ69名が7つの部門に分かれ、9ホールストロークプレーの新ぺリア方式による個人戦で行われた。2013年より国際スポーツ振興協会との共催(協賛)で実施し、賞品は日本ゴルフ用品協会、サッポロビール株式会社からご協力をいただいた。
ラウンドに同行しプレーをサポート
大会当日の朝、強い低気圧が関東を通過し、大雨の影響を受けたゴルフ場は、コースメンテナンスの為スタートを30分遅らせることになった。スタート時には雨も上がり、コースに秋空が広がった。選手は若洲ゴルフリンクスのプレーを思う存分楽しんでいる様子が伺えた。 東京、千葉地区から集まった31名のPGA会員が、ラウンドレッスンや、スタート説明、アテストのサポート業務に携わった。ご協賛をいただいたサッポロビール副工場長はじめ社員の方々にも大会運営をサポートしていただいた。
今回初めてプロサポートに参加した山岸吉剛会員は、若洲ゴルフリンクス初来場ということで、コースメンテナンスや都会が見渡せる景色にも感激していた様子。「今日は降雨の影響でフェアウェイカート乗り入れが出来なかったですね。下肢障害選手のみなさんは、上り3ホールでだんだんと歩きに疲れが出てきたようでしたが、それでも元気にプレーを続ける姿がみられました」と振り返る。 「どんな障害を持っていようと『健康』でいれば、ゴルフはできます。ぜいたくで面白いスポーツだと改めて思います。身体の一部機能が失われていても、ストレスや負担をどうやってかけないようにするのかという、創意工夫があります。一年に一度、『健康』であればこの大会に参加できるんですよね。障害者の方がゴルフへのモチベーションも維持できますし、素晴らしい大会でした」。各組最低1名はプロゴルファーが同伴して試合をサポート。障害者ゴルファーの力強いプレー姿は、山岸プロにとって興味深く、今後レッスン活動のヒントにもなったようだ。
千葉地区から参加した藤河努会員も、今回初めての競技サポートに携わった1人。ティーチングプロ取得のための講習会では、上肢障害の小山田会員と同期だったこともあり、身体ハンディを持つゴルファーの活動に興味を持っていたという。初のサポートは、上下肢部門のプレーに同行する業務だった。「参加者のみなさんはハンディを感じさせないパワフルな姿勢で、このイベントに感動を覚えました。ゴルフへの熱意が伝わってきて、なんだかこちらがパワーをもらいました」と話す。「人によってハンディは様々ですが、それでもみんなが同じ場所でゴルフを楽しめる。ゴルフ場で会えるという事実だけでも、元気なことが分かります。一日を通じて、自分に足りないことも見つかりました」。選手と過ごした時間は、かけがえのない経験だったに違いない。 新型コロナ感染予防対策を講じた上で7部門に分かれて開催された大会は、選手同士がなるべく密にならないような環境を提供し、無事に終了した。前半9ホールのスコアを新ぺリア方式で集計したが、選手は18ホールをプレーし、心ゆくまでゴルフ時間を楽しんでいた。 ◆ 成績は こちら>>(PDF)※記事中写真はクリック拡大