PGA会長 倉本昌弘
皆さま、新年あけましておめでとうございます。 昨年は新型コロナウイルス感染症対策に追われた年でした。日本プロゴルフ協会最大のイベントである日本プロゴルフ選手権は、安全を最優先したことから、開催を今年に変更せざるを得ませんでした。シニアツアーに関しては、緊急事態宣言が発せられた当初は中止を決断せざるを得ませんでしたが、7月以降当初開催予定18試合のところ8試合を開催することができました。 トーナメント開催によって感染が拡大してしまうのではないか、感染者が出た場合にはどう対処するのかといった難しい状況判断を求められましたが、結果的に5試合でギャラリーを入れての開催に踏み切り、感染症対策ガイドラインの遵守を徹底することで、無事2020年のシニアツアーを終了することができました。 PGAの基幹事業の一つの柱であるプロゴルファーの資格認証事業は、プロテストにつきましては、実施方法を変更、特例としてプレ予選と1次プロテストを中止、開催会場を増やして2次プロテストからの実施として、玄海ゴルフクラブでの最終プロテストを経て51名の新しい会員が誕生しました。ティーチングプロ資格認定講習会も、日程の変更はあったものの無事に全課程を終えることができました。感染を心配する声もありましたが、我々としては1年といえども資格試験を中断することで、PGA会員になりたいという人たちの希望を断つことは避けたいという思いから、最大限の対策を行うことで実施、無事終了できました。 このように、困難な状況下であってもPGAの根幹である事業は出来うる限り行うことを使命としてやってきました。しかしジュニア対象の事業や一般の方々を対象とした事業は、PGAだけではカバーできないこともあり、断念せざるを得ない事業も数多くありました。 さて、今年は延期された東京オリンピックが開催され、日本プロも日光カンツリー倶楽部(栃木)で開催されます。完全ではありませんが少しずつ日常が戻ってくるのだと思います。しかし、2021年は新型コロナに関する問題が無くなり、すっきりとした形でトーナメントやレッスンなどの事業が行えるかというと、そうとは思えません。昨年末には感染拡大への危惧から政府のGOTO関連事業も変更を余儀なくされましたが、今年もコロナとの共存を探りながらの年にならざるを得ません。感染防止にワクチンへの期待は強いものがありますが、ワクチンの有効性、実際にワクチンの接種がいつ、どのように行われるのかが明確にならない限り、今年もコロナ対策が大きな課題であることに変わりはないと考えます。会員の皆さまには、ご自身が感染しないと同時に、生徒さんや周りの人たちにうつさないために感染防止対策に充分心がけていただきたいと思います。 ゴルフはソーシャルディスタンスが確保できるスポーツです。このことからも、私たちがまず、手洗いや消毒、三密を避けるといった対策を行い、屋内では換気をしっかりとするといった基本的な対応をしっかりと守る、このことを私ども一人一人がしっかりと自覚し、ごくごく一般的なことを守ることが最大の対策です。 昨年は8試合中5試合をギャラリーを入れて開催し成功裏に終えることができました。今年のシニアツアーも感染対策を充分に行い、昨年の経験を生かして今年も観客を入れての開催を成功させたいと考えます。しかしながら、トーナメントの場合は、基本的な対策を守っていても、例えば送迎のバス内での感染の危険性を完全には排除できませんし、観戦するギャラリーが特定の組に集中するといった状況も想定されますから、気を抜けない状況になることは覚悟しております。ただ幸いなことに、シニアツアーの場合は3日間でギャラリーの人数は5000人規模ですから、まずは感染対策をしっかりと行うことを徹底したいと考えます。 昨年末にトーナメント開催に関する安全対策ガイドラインを改訂いたしました。コロナ禍の状態は昨年4月の緊急事態宣言以降日々変化しており、状況に合わせた最新な内容に更新していきます。 そしてPGAの活動では、ゴルフの普及も重要な事業だと考えています。象徴的な取り組みの一つとしてPGAジュニアリーグがあります。ジュニアリーグは現在、関東ディビジョンと関西ディビジョンに分かれ、関東は千葉と北関東の2地区、関西は大阪と兵庫と拡大しており、チーム数は順調に増えています。最近の特徴的な動きとして、コロナの影響から身体的接触を避けてサッカーや野球からゴルフを始めようという子供たちが増えています。聞くところでは、横田基地のジュニアリーグは、これまで10人ほどのメンバー数でしたが、今では100人を超えているそうです。ゴルフの方が安全だからとゴルフを選択する動きが顕著になっています。ところが、残念なことに日本はそうしたニーズを取り込めていないのです。コロナ禍の中でゴルフを始めたいと思っても子供たち、ご両親が、どこに行けばゴルフを始められるか分からない。本来、JGAや地区連盟、県のゴルフ協会がそうした子供たちの受け入れ窓口であると思います。是非とも分かりやすくPRをしていただきたいと思います。このゴルフの普及活動はPGAの問題でもあり、私としては普及部門を新たに設けることでジュニアリーグの拡大を含めてゴルフの普及に力を入れる必要があると思います。 最後になりましたが、ゴルフファンの皆様には、今後もPGAの活動にご理解をいただくとともに、今年もゴルフ界を応援いただきますよう、お願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。日本プロゴルフ協会会長 倉本昌弘
お知らせ
【謹賀新年】PGA倉本会長挨拶
2021年01月01日