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ティーチングプロ お知らせ

初の女性会員誕生!ティーチングプロB級会員88名が入会へ

2020年12月15日

史上初!5名のPGA女性会員が誕生



 2020年度PGAティーチングプロB級講習会受講者を対象にしたPGA入会セミナーが15日、静岡・掛川にあるつま恋リゾート彩の郷で行われた。この日は最後の講義とガイダンスがあり、倉本会長より会員認定書および会員証が授与された。約1年半PGAゴルフ論を学び、座学や実技のテストをクリアした新入会者88名は、2021年1月1日付けでPGA会員として認定される。さらに初の女性会員5名が誕生し、女性会員第1期生として新しく歩を進める。

認定証を手に倉本会長と



 今回は88名のティーチングプロB級会員が誕生した。PGA会員証・認定証授与式では、倉本会長が女性会員第1期生5人の入会について「素晴らしい年になった」と評し、さらに新会員88人にこれからの要望を伝えた。「これまで講習会で学んで来たことはティーチングの最低限のことであり、今後は自らスキルアップや知識のアップデートに努めてください。また、勝ち残っていくためにも、できることならA級ティーチングプロ資格の取得を目指して欲しいです」。ティーチング資格を得ただけで安易に稼げるわけでないことを告げ、同期との知識交流や相談も大切なことを話した。「PGAはティーチングプロ会員3500人の団体であり、5600人の会員全員がバックアップします」とエールを送った。

内藤雄士会員



 新入会員の中にはプロコーチとして知られる内藤雄士さん(51歳)の姿もあった。 「40代の最後の年を迎えた時に、自分を育ててくれたゴルフ界に微力でも恩返ししたいと考えました。また、倉本PGA会長とお会いする機会が何度かあり、ティーチングプロ資格を勧められていたこともあって取得する決断をしました。当初は、仕事との日程調整が大変になると思っていましたが、コロナ禍によって意外とスムーズに運びました」。 プロコーチとして長年ツアーを転戦し、ツアープロをレッスンして来た内藤さんだが、「ゴルフ理論を一から学び、初心に戻ることができました。井上建夫副会長や西海英世プロの分かりやすく、丁寧な講習は勉強になりました。改めて学び直す機会にもなり、新鮮でした。レポート提出や暗記などは大変でしたけどね」。苦笑いを交えながら、自身のレッスンにも直結する学びがあったことを素直に喜んでいた。 「個人レッスンだけでなく、自分ができることで何かお役に立てることがあれば、ぜひお手伝いしたいです」。 ゴルフ界への還元を誓い、内藤さんはティーチングの奥深さを再勉強できたと熱く話した。



 PGAティーチングプロ女性会員第1期生に5人が合格を果たし、入会セミナーに出席した。倉本昌弘PGA会長が「これまでゴルフ場や練習場からの女性ティーチングプロの派遣依頼を断るケースが多々あり、女性会員がいることは協会にとって大きなメリットになる」という背景説明の発言から、誕生した女性会員第1期生たち。第1期生それぞれに新たな道を選択した理由がある。

高木亜希子



 高木亜希子さん(44歳)はツアープロを目指し、これまでLPGAプロテストを何度も受けて来たものの合格を果たせなかったという。「女性会員募集、それもティーチングプロB級合格でPGA正会員になれることを知り、ぜひ資格を取得したいと思いすぐに申し込みました。これまでは自分のゴルフを磨くことばかりを考えて来たため、ティーチングという技術を勉強したことはありませんでした。レッスン生徒に対してどんな言葉、表現で伝えれば良いのか。そのノウハウを一から教えて頂けたのが、とても良かったと思います。これからはティーチングプロとして学んだ技術をレッスンに生かし、自分の技術向上にも役立てて行きたいです」と、今後の抱負を話す。

髙倉胡桃



 4年前に知人からシンガポールでのティーチング業の勧めを受けていたというのは髙倉胡桃さん(26歳)。仕事をスタートさせるためにもティーチング資格を取得しておきたいと考えたそうだ。「正規の資格を取得していた方が、生徒さんはより安心してレッスンを受けられると思いました。プロテストを3回受けて、合格できなかったら諦めようと決めていたのですが、結局、諦めることになってしまって…」。それでもゴルフの世界に携わる仕事をしたいという思いが心の奥底にあった。 「ティーチングプロを目指した当初は競技ゴルフの世界から離れ過ぎてレベルダウンに悩まされ、実技がとても大変でした。大学生だったこともあり、学業との両立にも苦労しました。今後は自分のゴルフ経験を生かし、一人でも多くのゴルファーを手助けできたら嬉しいです。合格まで大変でしたが、ゴルフに対して真摯に向き合う良い機会を得られたとも思います。ゴルフの奥深さ、楽しさ、魅力、一打の重みを伝えて行きたいです」。新たな目標を話す髙倉さんの目は輝いていた。

深澤愛梨



 深澤愛梨さん(31歳)もまたツアープロテスト不合格の挫折を経験している。「ゴルフ人生の巡り合わせとでもいうのでしょうか。ツアープロ合格の夢は叶わなかったけれど、ゴルフの仕事に携わりたい。そんな思いからティーチングプロを目指そうと考え始めた矢先、女性会員募集を知り、第1期生になれるならと決断しました。ゴルフ場でレッスン活動はすでにしていましたが、頼まれたから教えるというある意味、他人頼りでした。しかし、正式なティーチング資格を取得したなら、自分から発信して様々なレッスン活動ができ、個人的な幅も広げられると思いました」。そんな動機からティーチングプロ資格の取得を目指したのだった。 「ゴルフの基礎を教わっていなかったことを実感しました。教本からも様々なことを学び、特にビギナーに対するレッスンの引き出しが増えたのはとても助かっています。ミスショットの原因を明確に判断でき、適切なレッスンができる。経験値のアップにもつながりました。教える者として日々勉強、アップデートする必要性も学べました。こうして入会セミナーに出席できる喜びと達成感は、頑張って来たからこそですね」と笑顔をこぼす。

山本あいり



 一方、レッスンをしながらLPGAプロテスト合格を目指し続けているのが山本あいりさん(30歳)。「レッスン歴は9年です。プロテストは4回失敗していますが、まだ諦めてはいません。自分のスキルアップを目指してティーチング資格取得にトライしました。すべてプラスになっています。これまでは自己流でしたが、基本に対しての忠実さがどれだけ大切なのかを知ることが良かったと思います。基本をシンプルに、分かりやすく伝えられるようになりました。第1期生になれて、ホッとしています」。教える技術力のアップが、自身のゴルフ向上につながり、プロテスト合格をもたらせば最高だ。

中村英美



 「倉本会長の『新しいことをやりたい』という発言から、何だか面白そうだという興味を持ちました」。中村英美さん(38歳)にとって、それがティーチングプロ資格取得を目指した動機だったという。フィリピン女子ツアーのプロ資格を持ち、2018年まではツアープロとして台湾の試合にも出場していた経験を持つ。「実は、日本人として初のフィリピン女子ツアープロ選手、第一号です。私がプロ合格した年はティーチングプロ資格も一緒に取得できました。でも、選手としてゴルフをしていたため、レッスンのノウハウはそれほどありませんでした」。 ゴルフの知識はあっても、教える力は持ち合わせてはいなかった。「生徒というお客様に対してのアプローチの仕方、言葉の選び方や使い方、表現法などを教えて頂き、勉強になりました。この経験をこれからのティーチング活動に役立て行きます」。ツアーの世界からティーチングの世界へ。新たな道に歩を踏み出す。(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)