(右)倉本会長より会員証が手渡された
2019年度PGAティーチングプロB級講習会受講者を対象にしたPGA入会セミナーが9日、東京・浜松町にある世界貿易センタービルで行われた。この日は最後の講義とガイダンスがあり、夕方にはティーチングプロB級認定書および会員証が授与された。約1年半PGAゴルフ論を学び、座学や実技のテストをクリアした新入会者51名は、2020年1月1日付けでPGA会員として認定される。
ティーチングプロB級講習会は、昨年11月から講義が始まり、前期4学期、後期2学期の計6学期(26日間)に渡る受講が必要となる。まずはPGAの指導マニュアルでもある「基本ゴルフ教本」のゴルフ論習得が大きな目標で、その後はスクール実習や実技検定など数々の厳しい検定が行われる。その全てに合格した受講生だけが、PGAティーチングプロ会員として認定される。※右画像クリックすると入会セミナー模様がご覧いただけます セミナー最後の講義を終え、倉本昌弘会長が一人一人に会員証を手渡した。倉本会長は「ティーチング資格が認定されてから30年近く経ち、現在は会員の半数以上がティーチングプロ会員という組織になりました。みなさんはゴルフの勉強や研究を続け、お客様にゴルフの魅力を伝えることが仕事です。それが私たちPGA会員が生き残る道になりました。1年半かけてB級というPGAのベースを作れたと思いますから、これからは皆さん自身で情報をアップデートして、さらに素晴らしいスキルを身に着けてください」と、倉本会長は今後の活躍に期待を込めた。 ◆ 新ティーチングプロB級会員 入会者の声 ◆
◇ 張 營基 (プライムスリー・28歳) ◇※検定やレポート等の得点が総合的に優秀な今期の受講生 ジュニアからゴルフを続け、ゴルフ名門校である東北福祉大学へ進学し、その後は研修生として、プロ入りを目指しました。「PGA」への強い憧れもあり、トーナメントプレーヤーのプロテストに挑戦。テストに2度落ちてしまい、当時お世話になっていた平川カントリークラブの社長に今後の進路を相談したところ「ティーチングプロを目指すのもプロの道」と背中を押していただけたんですね。気持ちを新たにして、この資格取得を目指すことにしました。 また、同時期に学生時代の先輩が、東京で独立してスクールを始めたこともあり、レッスン活動をするなら、ティーチングプロの資格を持って、堂々と仕事をしたいと思っていたのです。 環境も変わり、気持ちはすっきりしていました。トーナメントプレーヤーへの道はあきらめましたが、ゴルフに対する基本的な知識を、正しく身に着けたかったのです。昔からゴルフの探求心とか好奇心が強かったこともあり、全ての講義が新鮮でした。基本的で平均的な考え方に立つことで、新しい考え方が発見できました。 とにかくゴルフは「基本が大事」だということです。技術だけでなく、講師の方々や、同期の仲間との時間はかけがえのない、貴重な財産になりました。PGAの名に恥じることがないように、ジュニアからご年配の方たちへ、ゴルフの楽しさを伝えられるように努めていきます。
◇ 山本 比嘉利 (チームエパックアカデミー・27歳) ◇ アメリカ・フロリダで、高校から大学でゴルフ留学をしていました。試合に出場しながら、海外での活躍を目指していたのですが、大学である程度の限界も見えてしまい、日本に帰国することになりました。ゴルフでやりたい方向が変わった時期なのかもしれません。 もともと、学ぶことが好きなのですが、さらにゴルフを深く研究したい気持ちがでてきたのです。実際に講義を受講してみると、「基本通り」に行うことが一番大変だったと感じています。バンカーやアプローチの基本も知れば知るほど、興味も深くなりました。だから、生徒さんに教えるときに、気持ちが寄り添える。そうすると修正方法も新しく見えるようになる。トレーニング論やバイオメカニクスといった講義も興味深かったですし、今後レッスンに生かせるテーマになってくると思います。 今後は、ゴルフについて「現場で教えること」と「大学で研究すること」をつなげられる役割になりたいです。ゴルフの面白さや魅力が科学的にも証明され、理論を持って伝えたい。アメリカ時代には、練習場のクラブプロに相談をすると、ゴルフの悩みを的確に解決してくれました。そんなきちんとゴルフに裏付けをもっている「プロフェッショナル」を目指します。
◇ 秋山 信一 (フリー・62歳) ◇※今年の最高齢合格者19歳から消防士として勤め、25歳からゴルフを始めました。45歳からアスリートゴルファーとして夜勤明けに練習場で練習したり、月に数回コースに行く程度のアマチュアゴルファーでした。60歳の定年を間近にした頃「まだまだ人生半ば。次の仕事を探そう」と、第2の人生には、大好きなゴルフが仕事になればと、ティーチングプロを目指すことにしたのです。かつてレッスンの基本といえば、レッスンプロといわれる人達のバラバラなゴルフ理論や、静止画を見ながらイメージを作るゴルフ誌しかなかったので、「これは奥が深い世界だな」とは、ずっと感じていました。さらに、近くにシニアツアーにも出場している細谷典生プロの存在もあり、プロとしての活動に興味もあり、受験をすることにしたのです。だけど、厳しい実技試験もありましたし、59歳から猛練習しましたよ。受講が決まってからも大変でした。大好きなゴルフでも、頭に入ってくるスピードが遅いので、教本がなかなか覚えられませんでした。だから、自分で教本を朗読した声を録音して、それを通勤時間に何度も繰り返し聞きました。ようやく覚えて、表現できるまでになりました。上手くはなかったかもしれませんが、講義は毎日新鮮な気持ちでした。今後、具体的なレッスン活動とまでは考えていませんが、周りの仲間や同年齢のゴルファーの方たちに、少しでもゴルフを楽しんでもらえる力になりたいですね。2人いる孫にもゴルフを伝えて、一緒にゴルフがしたい。65歳までは試合にも挑戦したいですし、可能性は無限に広がりました。