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【日本シニアオープン・3R】鈴木、マークセンが7アンダーで首位タイに

2016年09月17日

鈴木は目の前の1打1打に集中するだけ

「第26回日本シニアオープンゴルフ選手権」(JGA主催)の第3ラウンド。ムービングサタデーのこの日は、アンダーパーの選手も11名と、選手は難しいコースに悩まされた。トップには、プラヤド・マークセン(50)と、5バーディ1ボギーで68をマークした鈴木亨(50)が、通算7アンダーで並び、最終日最終組を迎える。3打差3位には、3連続バーディでスタートした台湾出身の盧建順(56)と、ヨーロピアンシニアツアーで活躍しているピーター・ファウラー(57)が続いている。◇ 大会公式ページは こちら>>  ◆最終ラウンドスタート時間は こちら>>

秋葉真一

ピーター・ファウラー

小溝高夫



あとはパッティングの調子だけとマークセン

ムービングサタデーとなる第3ラウンドは、5打差の中に12名がひしめく混戦で始まった。コースはラフが深く、ターゲットエリアも狭い。ティーショットからきっちりとフェアウェイをキープしないと、バーディチャンスにはつけられず、気が抜けないホールが連続する。首位スタートのプラヤド・マークセンは、ロングヒッターでもあり、得意のドライバーを中心に、攻めるプレーでフェアウェイを捕らえていった。飛距離のあるティーショットなので、球がラフに入っても、セカンドショットが楽に運べるのだ。しかし、今日はパットのフィーリングが合わなかった。1ピンの距離のパットがなかなか決まらなかった。グリーンに乗せたスライスラインが、打ち切れなかった。「1ピン距離のタッチがボール1個分合わなかった。だから、スコアが伸ばせなかった。今日は7アンダーでも満足しています。明日はパットのフィーリングがあえば、優勝に近づくと思います」と、マークセンは話した。最終日最終同組でプレーするのは、同じシニアルーキーの鈴木亨だ。「レギュラーツアーでも、一緒にやっていたので、気分良くプレーができると思います」と、笑顔をのぞかせた。ホールアウト後のマークセンは、練習はせずに、レギュラーツアー時代から行きつけの大好きなタイ料理屋に直行した。16週連戦の合間、気分を上手に切り替えている様子が伺える。明日の最終日は、日本公式戦タイトル獲得を目指し、賞金ランキングトップの座を早めに射止めたい。

この日ベストスコアタイの68をマークした鈴木

第3ラウンドのベストスコア68をマークしたのが比嘉勉、清家和夫、そしてシニアルーキーの鈴木亨だ。鈴木は初日こそ、実力を出し切れずにパープレーで終えたが、2日目は3アンダーの7位。第3ラウンドは、上位が混戦の中で、5バーディ1ボギーで、スコアを伸ばし、最終日は最終組の好位置で、優勝争いのチャンスが出てきた。「これが日本シニアオープンのコースセッティングなんですよね・・・毎ホール、毎ホール、神経を使いますよ」。最終18番ホールのティーショットは、左の林を避けようと思い3番ウッドを手にした。しかし思うようなコースマネジメントがうまくいかず、に3オン。乗せた位置はピン手前の3メートル。ラインに悩んでいたところ、キャディを務める息子の貴之さんから「切れるよ」とアドバイスがあった。息子の言葉を信じて打ったパッティングは、バーディを称える大歓声が待っていた。鈴木はこの1打で首位タイに並んだ。「(息子に)助けられましたね。明日の最終日は、一緒に優勝争いの雰囲気を味わって、いい緊張の中でプレーをしたい。いや、味あわせてあげたい、という気持ちが、ここ(この順位)までこれたのだと、思います。ようやく明日、その場に、父子で立てるんですよね」と、家族とともにシニア初優勝に向けた戦いを誓った。

ショットパットが好調な蘆。あとは我慢が求められる

「日本は米チャンピオンズツアーと違って、距離も近いし、大好きな国です」と流暢な日本語で話すのが、台湾出身の盧建順。2010年から5年間、米チャンピオンズツアーで戦っていたベテランシニアの海外選手だ。今年は、日本で4月に箱根CCで開催した新規シニアのノジマチャンピオンカップで7位タイという成績を収めている。今日は、スタートホールから3連続バーディを決めてきた。4番、12番ではフェアウェイを外し、ボギーとしてしまったが、本人は「ドライバーとアイアンがすごくいい」と、気分良く試合に挑めている。パッティングが課題。それでも、世界のさまざまなタイプのコースで戦い抜いてきた蘆にとっては、覚悟ができている。「このコースのフェアウェイは、アメリカのコースにあるような、すごくきれいなコース。ラフが難しいと思いますけど、コースは最高です。あとは、そうですね、我慢、我慢。周りの選手のプレーじゃなくて、我慢することです」。戦い方を知っている蘆が、日本のシニア初優勝を公式戦で飾れるかどうか。第3ラウンド2位タイスタートのピーター・ファウラーは、4バーディ2ボギー1ダブルボギーの72、通算4アンダーの3位タイ。キング・オブ・シニアといわれる室田淳は、3バーディ6ボギーと乱調のプレーで75とし、通算1アンダー10位タイと順位を落とした。しかし、難しいコースセッティングと、最終日独特の緊張感で、上位のめまぐるしい入れ替わりが予想される。今年の日本タイトルは誰の手に輝くか。戦いの行方は、最後の最後までわからない。

室田淳

渡辺司

田村尚之