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【全英シニアオープン・2R】 井戸木が7アンダーで首位タイ。崎山も予選通過

2016年07月22日

今日はパーフェクトゲームと井戸木

全英シニアオープン」の第2ラウンド。2アンダー9位スタートの井戸木鴻樹(54)が、7バーディ2ボギーの67をマークし、通算7アンダーで、米国のジョー・デュラント(52)と首位に並んだ。1打差3位には、オーリン・ブラウン(57)、ピーター・ファウラー(57)、ジャスパー・パーナビク(51)ら5名が続く。崎山武志(53)は3オーバーで66位。4オーバーまでの148ストローク、71名が決勝ラウンドに進出。大井手哲(54)、室田淳(60)、須貝昇(66)、友利勝良(61)は予選落ち。◇ 大会公式ページは こちら>> (ヨーロピアンシニアツアーページ・英語)

井戸木は大きな歓声に応える

Kohki-Idokiが、世界の舞台で首位に立った。「今日は、パーフェクトゲームができました。練習ラウンドで強いリンクスの風を練習していたから、この2日間は思っていたよりも、プレーしやすい優しい風でした」。井戸木は、2012年にシニアデビューしてから、全英シニアオープンには毎年参加しており、予選落ちがない。それでもリンクスの風と、リンクスコースのバウンスには、毎回頭を悩ませ、思うようにならない自分のプレーに苛立ちを隠せない。ようやく、5回目の全英シニア挑戦で、リンクスと友達になれたようだ。

自分のゴルフを信じるだけと井戸木

好調の理由がまだある。「今週は、パターの握り方を変えました。そのグリップの動きが良くなったことも良かったのかもしれません。3パットもなし。ドライバーも、昨日のものと変えました。練習ラウンドで、エースドライバーのヘッドが割れたかなと思って心配だったのですが、試合であまりにティーショットが左右にいくので、エースドライバーに戻したんです。しっかりと球を捕らえてくれる。音も気持ちいい。こっちを選んで正解です」と、久しぶりに井戸木スマイルに満ちあふれていた。

練習ラウンドでコースの特徴を念入りに研究していた

1番ホールで、いきなり1メートルのバーディパットを決め、さらに3番ホールでは、50センチにつけてのバーディ。ショットが絶好調である。だけど、いいショットというだけでは、リンクスコースでは、なかなか通用しない。リンクスは、自然が創りだした起伏があちこちにあって、そのキックの行方のよっては、ナイスショットもアンラッキーがある。だから、どこに落として、その転がりと起伏などによって、どうやってピンに寄せていくかのイマジネーションが大切になってくる。「カーヌスティのリンクスは、ボールをあげていっても、まったくノーチャンス。転がしを計算することが大事。それも勇気がいること。怖いですよ。だけど、今回はパッティングの流れが良かったから、アプローチも気楽にできました」と井戸木がコメントするように、出だし3ホールで2つのバーディがとれたことで、そのイメージが、しっかりとマネージメントできて、いい結果をもたらせたことが、ゲームの流れをよくしたのだった。

18番ガードバンカーからチップインを決めてガッツポーズ

それが縦距離を整えられた原因である。どこに落とすか。どこに落として転がすか。その置き場所が見えたようだ。「パッティングがいいと、ショットも良くなるものなんですね。気楽に、安心して、試合に挑めるので・・・」というハイライトは、最終18番ホールのグリーン右サイドからのバンカーショットだ。およそ20ヤード。パッティングがいいので、しっかりと勇気を持って攻めて行ける。その前向きな気持が、チップインバーディに繋がったのだった。さらに、井戸木は、今回、通常の58度のウエッジではなく、ポットバンカー用に60度のウエッジをバッグに入れて挑んた。そのクラブ選択も、バンカーショットを思い切って攻めて行ける後押しをしたのだった。

決勝ラウンドでも正確なゴルフに期待がかかる

「とにかく予選通過を目標にしていたから、この位置(トップ)は、とてもハッピーです。この2日間で7つ伸ばせたから、もう7つ伸ばせるといいですね。そう思えるだけでも、リンクスコースのカーヌスティでプレーできて、本当に嬉しく思います」と36ホールを終えて首位のポジションは、全米プロシニア以来のメジャー制覇の絶好のポジションである。あとは、天候がどう急変するか。それにどう対応できるかが大きな鍵となるはずだ。

今のパーナビクは,母国のゴルフ発展のためにある

その井戸木と1打差につけている選手が、5人いる。中でも注目したいのが、スウェーデンのジャスパー・パーナビクだ。前週の全英オープンで優勝したステンソンと同じスエーデンの選手。「このところスエーデンのゴルフ環境は、あんまりよくないんだ。でも、ステンソンが優勝して再びスエーデンのゴルフに活気が出てきた。ニュースター誕生が必要なタイミングだと思うので、シニアでも、僕が活躍すれば、いい刺激になると思ってる」と語る。パーナビクといえば、1994年全英オープンでは、惜しくも2位となったことがある。そしてリンクスコースを熟知している選手だ。そういうイマジネーションを持ち合わせている選手で、をスウェーデン選手で、全英オープンと2週連続でメジャー優勝、という意気込みは熱い。

崎山の目標は世界シニアメジャーで上位にはいること

日本勢では、崎山がイーブンパーの72、通算3オーバー57位とし、予選通過を果たした。初日とは違い、ショットは思うところに打てていた。しかし、パッティングが決まらない。狙いよりも、ボール一個分左に切れてしまう。それでも、自分の感覚、そしてルーティンを忘れないように努めた。「思い描いていたリンクスの戦いは、厳しい展開でした。今日は練習から、シャンクが出たりするんですよ。試合でシャンク出たらと思うと、不安な気持ちもよぎります。それでもずっと目標にしていたことは、シニアメジャーで上位に入ること。予選通過も必要なプロセスですが、それが目標じゃない。普段から上位にいくためにしなければならないことに、もっと意識を向けたい」と、崎山は言う。そして付け加えた。「あと2日間、しっかりとマネジメントゲームをして、楽しく、悔いが残らないようにしたい」。崎山は、鬼門となる上がり3ホールまで、しっかりと自信をもって、世界の強豪たちに挑むと誓った。いよいよ決勝ラウンド、そしてムービングサタデーが始まる。◇ 大会リーダーズボードは こちら>>

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