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【全米プロシニア・2R】 首位にメディエイト。崎山、室田が決勝ラウンドへ

2016年05月28日

初出場の崎山が予選通過

77th Senior PGA Championship」(全米プロシニア)の大会2日目。首位スタートのロッコ・メディエイト(53)が、この日もスコアを5つ伸ばし、トータル14アンダーで単独首位。ベルンハルト・ランガー(58)が64をマークし、9アンダー3位に浮上。日本人選手は、大会初出場の崎山武志(53)が2アンダーで38位、室田淳(60)がイーブンパーの67位で決勝ラウンドに進出。井戸木鴻樹(54)、米山剛(51)は予選落ち。◆大会オフィシャルページは こちら>> (PGA.com)

R・メディエイト(Courtesy of the PGA of America)

大会初日、トーナメントのコースレコードの62(パー71)をマークしたメディエイト。そして2日目も66の5アンダー。ジャック・ニクラウスの難コースレイアウトにも関わらず、2位に4打差をつけた14アンダーは、シニアメジャーでも圧巻の存在感を示した。メディエイトは、PGAツアー6勝、チャンピオンズツアー2勝を挙げており、2013年以来の優勝に向けての折り返し地点に立った。そのメディエイトの独走にプレッシャーをかけるように追撃してきたのが、ランガーだ。この日7アンダーの64をマークし、3位に浮上してきた。今年のチャンピオンズツアーに出場した6試合、24ラウンドのうち、22ラウンドでアンダーパーという充実感を見せている。ショットメーカーであるランガーは、この日もティーショットが絶好調。アイアンの切れも良く、この2日間で、フェアウェイをはずしたのはわずか2回。その秘策を質問されると「ただ、左肩を右ひざよりも意識するだけ」と、淡々とランガーは答えていた。明日からの決勝ラウンドでも、この好調さが続けばメディエイトにとっては手強い相手になるに違いない。この日のハイライトは、ケニー・ペリーとマイク・リードだった。ペリーが大会史上初となる5番ホール(パー5、566ヤード)で、227ヤード地点から5番アイアンを打ち、アルバトロスを達成。マイク・リードは11番ホール(バー3、172ヤード)で、7番アイアンを使ってホールインワンと、にぎやかな話題に沸いた1日となった。

崎山武志

日本選手の行方では、残念ながら米山と井戸木は予選落ち。そして崎山が通算3アンダー38位と健闘した。実は、崎山のグループがバックナインに入ったあたりから、空には雨雲が大きく広がり始めた。一瞬にして、コースは強い雨と風に見舞われた。15、16番と連続ボギーをたたいてしまったが、17番のパー3では、「絶対にあのエリアに入れる」と信じて打った。気持ちが逃げなかった。なんとかパーで切り抜け、最終18番ホールも冷静に対処できた。

崎山武志

「あのとき、嵐のような天気に変わり、連続ボギーになって・・・正直、予選カットラインのこととか頭によぎりました。だけど、絶対にあのエリアに打つと、その時、しっかりと集中できたんです。自分が信じてやってきているゴルフが、いい結果を生みだしてくれました」と、ホールアウト後、穏やかな笑みを見せた。崎山は、シニアメジャーに出場すること、そこで結果をつくることを目標にしてきた。今日はひとつ目標を達成した記念の日となった。「良かったです。どうなるかと思いましたけど、自分のゴルフを信じて、逃げずに、あと2ラウンド戦ってきます」と、崎山は上を向いた。

室田淳

予選通過したもう1人は、室田である。初日は背中に違和感を感じ、ショットのたびに首をかしげていた室田は、「最悪の場合、棄権も想定していた」という。それでも、いつもの朝のルーティーンをこなし、試合に挑んだ。ゲームが進むにつれ、いつものショット感が戻っていった。後半は3連続のバーディチャンスだったのに、すべて一筋読みきれず、打ち切れずにカップを外した。この日は4バーディ3ボギーの70、トータルイーブンパーは予選カットライン上の成績となった。それでも全米プロシニア10戦戦って、すべて予選通過という記録を果たした。

室田淳

ホールアウト後、「バーディチャンスは結構あったのにね。あとひとつ伸ばせなかった。昨日の背中痛はなんだったんだろうなぁと思うくらい、ゴルフができたよ。痛み?こっちでの食生活のせいかもしれないけど。あとは、崎山に任せたよ(笑)」と、室田はすっきりとした表情を見せた。後半2日間でどう修正できるかが、上位に這い上がる鍵となるに違いない。

井戸木鴻樹

一方、井戸木は、1打足りずに悔しい予選落ちとなった。「今日は、特に後半のピン位置が難しいところにあった。風の読みも難しかったんですね。ショットには自信があったのですが、ほんとに紙一重のところでラインが切れたりするので、パーセーブも一苦労」と、振り返る。最終ホールで、ようやく3メートルくらいのバーディパットを決めた。ずっとチャンスもきていたのに、途中で決められなかった。「悔しいですね。恥ずかしくないようなプレーをしたつもりですが、最後まで自分との葛藤が続きました」と、話した。それでも少しずつ、着実に、不調のパッティングもタッチが戻りつつある。引き続き、試合での活躍に期待したい。

米山剛

前年度日本シニアツアー賞金ランキング4位という資格で、今回初シニアメジャーに参加した米山。ショットの精度に不安があったままの渡米は、初日4オーバー126位という成績に影響してしまった。会場についてから、練習場にいる時間が長かった。ショットの調整に全力を注いでいた。昨日のラウンド後の練習で、少しヒントがあった。ショットのぶれも、調整ができつつある。バーディスタートは、自信が少し出てきたようだった。「初シニアメジャーの参加は楽しかったです。このフィールドに立てて、誇りに思います。スコアは残念でしたけれど、自分のゴルフという点では、かなり収穫がありました。思うようなショットがようやくできてきたので、いい感触もつかめました。日本に帰ってからも、自分に自信あるゴルフが展開できればいいです」と、米山は言う。ボギーも重ねたが、4オーバー108位で大会を終えることができた。それは米山にとって、悔しいけれど、満足のいく内容のゴルフとなった。この難コースは、すべてのホールで、気が抜けない。きちんと正解のターゲットにショットしないと、だいたい罠につかまってしまう、ティーショットからパッティングまで、隅々まで、ゴルフに必要な要素が求められるのが、シニアメジャーの難しさだろう。井戸木、米山は「またリベンジします」という言葉を残して、コースを去っていった。