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【全米プロシニア・大会前日】日本シニア最強の4名が戦いに挑む

2016年05月25日

(左から)崎山、井戸木、米山、室田が米シニアメジャーに挑戦

世界17カ国、156名の強豪選手が参加する「77th Senior PGA Championship」(全米プロシニア)は、米国ミシガン州ベントンハーバーにあるハーバーショアズで26日より開催する。大会を控えた24日、日本選手がそれぞれ練習ラウンドをこなした。今年、日本からの出場選手は全部で4名。本大会2013年チャンピオンの井戸木鴻樹(54)をはじめ、昨年シニア賞金王の室田淳(60)、同じく賞金ランキング2位の崎山武志(53)、同4位の米山剛(51)というシニア最強の布陣で戦いに挑む。◆大会オフィシャルページは こちら>> (PGA.COM)

井戸木は歴代チャンピオンとしてのプライドにかけて戦う

初渡米、初出場で挑んだ3年前の全米プロシニアで、日本人初の男子メジャー優勝を飾った井戸木にとって、この優勝はもちろん、大きなターニングポイントでもあった。チャンピオンズツアーにも出場し、日本とアメリカを行き来した時期もあった。どこにいっても「メジャーチャンプ」という肩書がついてまわる。「それも宿命」と井戸木は受け入れて、再び大会にやってきた。井戸木スマイルは、チャンピオンズツアーの選手からも親しまれ、それが、選手の間でも、レスペクトされているようだ。井戸木の功績が、日米の大きな架け橋となっている。この日井戸木はプロアマに参加。ゲストたちは、井戸木の根っからの明るさと、徹底した気配りで、プレーを堪能した様子だった。「プロアマという限られた時間の中で、ゲストにどれだけ楽しんでもらえるか。でも今日は、みんなずっと笑顔が耐えなかったですね。楽しい雰囲気のゴルフは、疲れを感じさせない」と、ゴルフ中心の英会話も少しずつついていけるようになり、プレー合間のコミュニケーションを楽しんでいるようだ。

「いい戦いをしたい」と誓う井戸木

井戸木にとって、ハーバーショアズは、2014年に続き2度目の戦いとなる。コース戦略はすでに頭の中にあり、準備はできている。「距離はそれほど長くないけど、ほんとうにタフなコース。きっちり攻めないと、スコアは簡単に落とす。だから、きっちりと攻めれば、スコアを作れる。あとは、グリーンの読みとパッティング。残り1日。自分のゴルフをしっかり調整して、試合に備えたい」と、引き締まった表情で話した。

2年振りとなるコースの感触を確かめる室田

そして、この大会は10回目の出場となる室田は、過去すべて予選通過という実績と実力は、アメリカでも高い評価を受けている。今回は、2012、2014年に続き、3度目のハーバーショアズの挑戦。室田は、参加資格である「日本シニアツアーの前年度賞金ランキング4位までの選手」というカテゴリーは2009年に一度だけ外れただけ(5位)で、アメリカでも注目選手の1人となっているほどだ。

室田はシニア後輩の米山にゴルフを伝える

練習ラウンド中、室田は、崎山、米山と一緒に歩き、アメリカの体験談をふたりに伝えている姿が暖かかった。「こういう難しいコースにきて、技術的なことや、ゴルフの課題に直面するだろう。だけど、そういうときは、むしろ考えなくてもいいんだよ。最善尽くしたその時々の状況下で、考えればいいこと。それがゴルフだから」と伝える。米山は、「やっぱり室田さんは努力してるし、ゴルフへの向き合い方がしっかりとしたすごい人です。鉄人だということを、改めて理解しました。(メンタルの)切り替えの部分を知ることは、貴重な話です」と、先輩プロからアドバイスに感激していた。そして、室田から初出場の崎山、米山の2人に、「次は君たちの時代だから」と言葉を受け、今回の試合は、大きな刺激になっている。

崎山は夢だった米シニアメジャーに参加する

さて、崎山にとっては、夢に描いていた米シニアメジャーへの出場となる。夢が現実になった。先日優勝したKYORAKU CUPでは、「結果はどうあれ、自分のゴルフを貫きたいと思ってやります」と崎山は語っていた。コース入りしてからも、「どんな舞台が待っているのか」と、ワクワクする気持ちが続く。今週、コースに到着してからの崎山は、朝早くからコースに入り、ラウンドをし、遅くまで練習場でゴルフの感触を確かめている。「いやー、面白いコースですよ。しっかりと攻めることが求められます。室田さんは『攻める気持ち』fは必要だと、言ってました。飛距離が求められるホールもありますし、日本のコースに比べて、グリーンがかなり小さいのが特徴。セカンドなり、グリーンなり、きっちりと自分なりのターゲットエリアをつくること。どんなゴルフマネジメントができるのか、今から試合が待ち遠しいです」と、崎山はすっかりアメリカのゴルフに溶け込んでいるようだ。そして、今大会の注目選手としては、2度のメジャー制覇と、91年の全米プロで、ウェイティング9番目で出場権を得て、その立場から優勝を達成したジョン・デーリー(50)が、シニアルーキーでデビューする。いまも、300ヤード超えのドライバーショットを放つデーリーの活躍も期待される。また、コリン・モンゴメリー(52)が、ディフェンディングチャンピオンとして、タイトルを守り、大会3連覇を達成するかどうかが見所となる。今年も話題満載の全米プロシニア。いよいよ幕があがる。

米山剛

崎山武志

室田淳