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【日本シニアオープン・FR】 倉本会長が、シニアオープン2勝目!!!

2014年11月02日

シニア4勝目。現役会長の優勝は史上初の快挙

兵庫県の小野グランドカントリークラブNEWコースで行なわれている第24回日本シニアオープンゴルフ選手権大会(JGA主催)の最終ラウンドは、井戸木鴻樹(53)と、倉本昌弘(59)の最終組対決が注目された。一方、猛チャージをかけた渡辺司(57)がこの日8アンダーとスコアを伸ばし、優勝争いに絡んでいたが、最後まで絶好のチャンスを逃さなかった倉本が18番でバーディを決めて通算15アンダーとし、今年のシニアオープンのタイトルを獲得した。◇会長インタビューは YouTubePGAチャンネル でご覧いただけます

最終日は、最終組の2人が優勝本命とみられていた。スタートホールは両者バーディ。4番では、倉本がボギー。5番は、井戸木がバーディ。さらに7番でも、井戸木がバーディを重ねた。井戸木の序盤は、地元関西のファンの応援がチカラになっていた。このまま、独走ムードになるかと思われた。しかし、井戸木が8番のフォローの風を読み違えて、さらにパッティングがショートして3パットボギー。9番では、やはり風の感覚が合わず、思わぬ連続ボギーになってしまった。ここ9番は、倉本はしっかりとバーディを獲りかえす。倉本は、本当に自身の優勝は無いと思っていた。「練習もできずに、勘は鈍りますよ。確実にね。4日間も、もたない。でも、最後は、会長としてではなく、選手としての気持ちが強く出ましたね」。井戸木が8、9番で連続ボギーをたたいた時に感じた。「アウェー感満載の最終組でしたよ。完全に井戸木君に流れが向いていた。だけど、あの連続ボギーで、勝ちの展開がおかしくなったと思う。自分にチャンスが出てきたと思うし、渡辺がスコアを伸ばしてきていてね」と、倉本は振り返る。後半に入り、渡辺がグングンとスコアを伸ばして、首位グループに入ってきた。渡辺は15番まで、なんと8バーディノーボギーという驚異的な追い上げをみせていた。一方、最終組の2人は、そんな渡辺の追撃を驚き、少し焦りもあったようだ。井戸木は、連続ボギーで、風の読み感に不安を感じていた。後半は、チャンスをものにできず、パーが続く。倉本も、12番をバーディ、14番はボギーとスコアを伸ばせない。16番パー4。倉本はここで、3メートルのバーディを決めた。ついに猛追していた渡辺に並んだ。あとは18番勝負だと、倉本は確信した。

迎えた18番ホール、パー5。倉本は、4日間で初めてドライバーを使った。そしてセカンドは2オンを狙った。235ヤードを5番ウッド。それがダフってグリーン手前にショート。それでも、ピンまでの距離は45ヤード。サンドウェッジで寄せて、見事なバーディフィニッシュを飾った。2010年大会(鳴尾)以来2度目の日本シニアオープン優勝。そして、PGA現職の会長として、初のシニアオープン優勝という快挙を達成したのだった。「雨が降ってグリーンが止まったのが勝因です。ピン位置はシビアでした。15アンダーいうスコアは、一見簡単そうですけれど、そんなに優しいコースではないので、雨が降らなければ大変でした。シニアツアーは面白い選手がそろっています。今回は、ショット力のある、調子のいい選手が上位に来ました。シニアツアーは、来年、試合を増やそうとしていますし、今がチャンス。男子ツアーともアイデアを出し合って協力していきたいです。シニアツアーは、直道、室田、渡辺とみんながPGAの為にサポートしてくれているし、PGAは間違いなく、良い方向に向かっています!」と、倉本。PGA会長として、選手としての2つの顔それぞれが、大きな笑顔になった。◆ 最終ラウンド成績は こちら>> ※JGAオフィシャルページへ◇ 大会オフィシャルページ はこちら>>

2位 渡辺 司

「結果は結果です。自分でできることは15番まで90%やりました」と、シニアメジャー3勝している渡辺は話した。「16番からの3ホールですかね・・・。上がり3ホール。優勝した倉本さんは、16、18番できっちり2バーディを獲っていました。この差です。勝負どころにきて、流れが変わってしまったのかなと思います。自分の得意とする距離が、出せなくなってしまいました。こんなことが、最後に勝つ人と負ける人の、『差』なんだと思います」。それでも、最終日に渡辺の8アンダーという爆発力は、選手には脅威に感じられ、ファンには、ゴルフゲームの面白さを与えてくれた。

3位 井戸木鴻樹

8、9番の連続ボギーが効いたのか、後半はなかなかバーディの波に乗れず、井戸木はもどかしさを感じていた。2年前の日本シニアオープンで、3ラウンドハーフでトップに立っていたのに、最終日フランキー・ミノザに逆転負けを許してしまった。その時のイヤなイメージもよぎる。それでも、地元関西のファンの期待に応えるべく、最後まで精一杯戦いきった。結果は、通算13アンダーの単独3位。「次のチャンスはつかめるように、また頑張ります」。バースデー優勝こそ叶わなかったが、地元の井戸木ファンに、シニアツアーの面白さを、そして“浪速の井戸木”の魅力を、また一つ高めたようだ。

JGA安西会長から優勝トロフィーを受け取る倉本

4年振りの優勝。シニアオープンは2度目のタイトルとなった

ディフェンディングチャンピオンの室田から、チャンピオンブレザーの贈呈