日本プロゴルフ殿堂は23日、都内で記者会見を開き、第7回殿堂入り顕彰者を発表した。レジェンド部門からは、佐藤精一、小林法子の2名、プレーヤー部門では、中嶋常幸、森口祐子が殿堂入りすると伝えられた。この顕彰セレモニーは、今年3月22日にパシフィコ横浜のジャパンゴルフフェア会場内ステージにおいて開催し、当日は一般の観覧も可能となる。

日本プロゴルフ殿堂 (左より)PGA倉本会長、LPGA小林会長、日本プロゴルフ殿堂松井理事長、JGTO青木会長、【拡大写真】

 今回選出された4名のメンバーは、それぞれ非常に輝かしい経歴を持つ。レジェンド部門は、男子ツアー制度施行前の1972年以前に活躍し、功績を残した選手が対象。プレーヤー部門では、1973年以降に活躍し、功績を残した選手で、日本プロゴルフ殿堂の表彰ノミネート基準を満たしたプロに贈られる。プロゴルフの礎を築いてきた先人たちは、これまでにたくさんの感銘をファンに与えてきた。その偉業に対して、感謝と賛辞、そして敬意を示す、年に1回のプロゴルフ殿堂顕彰となっている。






〔レジェンド部門・佐藤精一〕


 佐藤精一氏は、東京都出身。18歳の時に我孫子GC(千葉県)に入り、プロゴルファーを目指した。我孫子一門の山本増二郎や林由郎のもとで修業し、晴れてプロとなったのは1955年、23 歳の時だった。1961年に袖ヶ浦CCへ移籍。プロ入り後、長く優勝という結果を残せなかったが、1966年にホームコースの袖ヶ浦CCで開催された日本オープンでついに初優勝を飾る。最終ホールの劇的なバーディーで手にした栄冠だった。その後、関東プロに勝ち、1970年には日本プロを制覇。日本オープン、日本プロの両タイトルを手にするのは史上9人目の快挙だった。現在86歳。



 PGA倉本会長は「私のアマチュア時代、広島オープンではよく話をする機会があったこともあり、プロになってからも、よく声をかけてくださいました。好々爺だというのが印象でした。今ではシニアのグランド・ゴールド競技(60歳、68歳以上)の会場でお会いすると『倉ちゃん、ちょっとこれみてよ!俺、わかったんだよ!』と、クラブを手にしながら、嬉しそうに声をかけてくれるんですよ。いつまでもゴルフに熱心な方で、素晴らしいと思っています」と、エピソードを伝えた。また、JGTO青木功会長は、同じ我孫子GC出身として「スイングは早くて、曲がらないボール。しゃべりながらプレーを楽しむことができて、ラウンド後のプレーの記憶は抜群。私のゴルフ人生に影響を与えた、とても印象の深い先輩です」と敬意を示した。


〔プレーヤー部門・中嶋常幸〕


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 プレーヤー部門で選出された、中嶋常幸氏。1973年の日本アマを、当時大会史上最年少の18歳で制すると、プロ入り後もすぐに頭角を現し、1977年に22歳で日本プロで優勝。シニアでも大活躍。2005年に日本シニアオープン、2006年には日本プロシニアに勝ち、レギュラー時代の日本プロ、日本オープン、日本シリーズ、日本プロマッチプレーと合わせ、前人未踏の「日本タイトル6冠」を達成。日本アマも含めれば実に「日本タイトル7冠」となる。2017年にはこれまでの功績と貢献度を讃えられ、スポーツ功労者文部科学大臣顕彰を受けている。




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 「ジュニア時代から当時の活躍は評判だった」と倉本会長。「中嶋さんが日本アマを制した大会の最終日では、一緒に回ったことが印象に残っています。そして、現在までずっといい関係を続けていて、尊敬する先輩プロです」と評する。そして、「AON」として第1期ゴルフブームを一緒に牽引してきた青木会長は「ジャンボとの間に、すーっと入ってきて、優勝をジャマする奴がいるなと思っていたよ(笑)。当時の戦いを振り返っても、日本のゴルフ界を少し盛り上げられたかな。刺激し合えるいいプロ仲間です」と、これまでの功績を笑顔で称えていた。






〔レジェンド部門・小林法子〕


 「まさか、私が顕彰されるとは・・・・。その連絡を受けた時の心境は夢でも見ているようです」と、感激にひたったのが、レジェンド部門での女性の顕彰者、小林法子氏。中学卒業後、千葉市内のゴルフ練習場に事務員として勤務。その後、ゴルフを始めて腕を上げ、女子プロ1 期生の一員となった。1973年、初優勝を日本女子オープンのビッグタイトルで飾る。以降も勝ち星を積み重ね、通算9勝目となった1987年の那須小川レディスでは42歳という当時の女子最年長優勝記録を打ち立てている。プレーヤーとしての活躍のみならず、数々の役員を歴任して日本女子プロゴルフ協会の発展に大きく寄与してきた。1976年に設置された競技運営委員会では初代委員長に就任。2002年に立ちあがったTPD(トーナメント・プレーヤーズ・ディビジョン)委員会でも初代部門長として腕をふるい、2008年からの3 年間は副会長として樋口久子会長を補佐した。



〔プレーヤー部門・森口祐子〕

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 プレーヤーズ部門の森口祐子氏は、日本人選手としては初めてのママさん優勝者。そして、史上2 人目の公式戦3冠も達成している。通算41 勝中、母親となってから実に18勝をマーク。育児をしながらプロゴルファーとしての活動をやり遂げ、ママさんプレーヤーのパイオニアとして新たな道を切り拓いた大きな功績が評価された。LPGA小林浩美会長は「ゴルフも家庭も、とてもしっかりされた真面目な方。いまでも女子プロゴルフ協会は、今回の顕彰者2人の先輩に、大きなバックアップいただいて、大感謝しています」と、敬意を表した。




顕彰式は、2019年3月22日の午後14時30分から、パシフィコ横浜のジャパンゴルフフェア会場・特設ステージ行われる。ゴルフフェアは入場無料で、顕彰式の模様は一般の観覧も可能。壇上4名の勇姿から、プロゴルフの歴史を感じてもらいたい。




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