【全英シニアオープン】 B・ランガーが優勝に王手 |
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ランガーはとにかく首位を守ることが今日の目標だった【拡大写真】
ウェールズのロイヤルポースコールGCで行われている「全英シニアオープン」の第3ラウンドが、26日に行われた。連日、大差でトップのベルンハルト・ランガー(56)が、この日は3つスコアを伸ばし、通算14アンダーとして首位を守った。リック・ギブソン(52)が66をマーク、通算6アンダーとして2位に浮上。日本勢は、友利勝良(59)が、5オーバーで36位が最高位。井戸木鴻樹(52)は6オーバーの44位。
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B・ランガー【拡大写真】
最終組のランガーは、フロントナインで3つバーディを重ねた。パッティングがかみ合った。この日は、朝グリーンに水がまかれたようで、確かに午前スタートの選手は、グリーンの速さに手がかりを探し苦戦していた。しかし、太陽も高くなり、風も吹くようになると、グリーンは乾きはじめて、予選ラウンドの時と同じようなコンディションに戻り始めたのだ。ランガーは、この状況に感謝していた。パッティングは3日目も変わらないイメージでプレーが出来ていた。
今日のランガーの目標は、ストローク差をつけるということではなく、首位をキープすることだった。それでも、2位との差が7打差から8打差になったことに、優勝への確信が持てたようだ。タフなコースは、ヨーロピアンシニアツアーのメジャーにふさわしいコースセッティングだと評価する。「最終日は、今日と同じ気持ちでプレーをするだけ。スマートに、アグレッシブに。悪いジャッジをしないように心掛ける。フェアウェイをキープする。グリーンでパッティングをすること」だと、ランガーは落ち着いて話した。残り18ホール。昨年のプレーオフ敗退という悔しさを、全英シニア2度目の優勝トロフィーで、栄光と感動に変えたい。

C・モンゴメリー【拡大写真】
今季、全米プロシニア、全米シニアオープンを連覇し、この大会で3つ目のタイトルを狙うコリン・モンゴメリー。フロントナインでは、ランガーとのストローク差を変えずに、バックナインに入った。しかし、10番でダブルボギー、11番でボギーと、モンゴメリーのプレーが崩れ始めた。「ひどかった。僕にはもう少し、運が必要だった。後半40も叩いて、優勝のチャンスが無いことはあきらか。プロゴルファーらしくないプレーになってしまったよ。だけど、ランガーはポースコールでの1番の選手だということを証明してくれた」と、この日のランガーのプレーを称えた。
明日は8打差2位で最終日を迎えるギブソンが、最終組でランガーと同組だ。「1990年代の初期に、ランガーとは、ケープタウンでのワールドカップで一緒に戦った以来かもしれない。13番のボードでランガーの名前を見たときに、信じられなかった。リンクスでは、何が起こるかわからないけれど、彼だけが唯一、このコースを理解しているんだとね」。今回ギブソンは、ロイヤルポースコールのヘッドプロの息子である14才のハリーをキャディとして、一緒に戦ってもらっている。少年に、メジャーでの戦いを見せ、ゴルフの素晴らしさを伝えたい。

友利勝良【拡大写真】
一方で、グリーンの速度、コンパクションが、今までの感触と変わってしまったと、日本選手たちは口を揃えた。最高位は5オーバー、36位の友利勝良。「14番のセカンドショットの場所が、僕のボールだけくぼんだ所にはいっていて、そこからうまくいかずに、連続ボギー。アンラッキーでした。毎日風も変わるし、だんだんフェアウェイが硬くなるし、難しい。ショットの調子はいいけれど、それだけじゃないね、リンクスはね」と、リンクスを得意とする友利が話した。風も弱く、暑さも加わり、いつものイメージするリンクスではない。強靭な友利でも、さすがに疲れを隠しきれないようだった。それでも最後に「こんなもんでしょう。今日も精一杯やりました。明日は明日の風が吹きますから」。と前向きだった。

井戸木鴻樹【拡大写真】
パッティングが決められない、決まらない・・・と首をかしげる井戸木。この3日間で3パットの数が、許容範囲をついに超えた。それだけに、自分への怒りが強い。「手が動かないね。ラインもわからなくなってくるし。重いし。あかんわ、こんなゴルフをしているようじゃ。コースは戦略通りですけれど、グリーンのスピードが難しい。早いし、重いし、見当つきませんよ。重いですよ。固いし、勘が狂います。良かったのはショットだけ」。悔しさがあふれる。井戸木はわかっていた。「この3日間、大した風がないし、簡単なはずなのにね、ほんとうにもどかしい。また出直しや」。今日のスコアは1オーバー。せめて2パットで収められたらという後悔の気持ちが重くのしかかる。ホールアウト後も、練習グリーンでひたすらパッティングに集中していた。

植田浩史【拡大写真】
植田浩史は、初めての決勝ラウンドに挑んだ。「ショットはこの3日間でいちばん良かった。気持ちいいくらい、ショットは打ててるのですが、ボールの落ち処がアンラッキーでした。風の影響も受けてきたし、その距離感がつかめていない。今日はグリーンも重いし、タッチがつかめませんでしたね。ラフで逆目の芝に入っていたことわかっていたんですけれど、大好きなアプローチで、油断してミスもしてしまった。悔しいです」と話す。マンデー通過者として、休みなくラウンドをこなしているが、最終18ホール、1つでも順位を上げられるように、諦めずにやるだけだ。

奥田靖己【拡大写真】
奥田も、喜怒哀楽のあるラウンドだった。「リンクスは、状況を判断するのに、かなり計算が必要になりますよね。ショットは調子がいいのに、今日はグリーン回りもグリーンも重かったし、タッチが合わなくなってしまって。風も強く吹かない。グリーンもボールが止まる。状況を把握するまでに、前半で時間かかった感じです。後半、調子が出てきたと思ったら、15番のパー3でティーショットをバンカーに入れてダボ。ラッキーもアンラッキーもある。それでも、これがリンクスのゴルフですからね」。海外生活も3週間目。シニアメジャーの連戦を経験し、疲れも出てくるかもしれないが、あと1日、リンクスで精一杯戦ってもらいたい。
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