【全英シニアオープン】 最強シニア!ランガー2位に13打差の完全優勝! |
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ランガーはウィニングパットを決め大きくガッツポーズ【拡大写真】
「全英シニアオープン」の最終ラウンドが27日行われた。初日から大差をつけて首位を守りぬいた、ベルンハルト・ランガー(56)が、最終日も4つスコアを伸ばし、通算18アンダーとして、完全優勝。昨年のプレーオフ敗退のリベンジを果たし、見事タイトルを獲得した。2位には、今季シニアメジャー2勝を挙げているコリン・モンゴメリー(50)。日本勢は、難しいリンクスのコンディションに、厳しいゲーム展開となった。奥田靖己(54)と、井戸木鴻樹(52)、植田浩史(55)が、通算12オーバーの52位、友利勝良(59)は69位だった。
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B・ランガー【拡大写真】
ランガーの圧勝だった。初日から首位を座を1度も譲らずの完全優勝だった。65・66・68・67の通算266というスコアを、この難しいリンクス、しかもメジャーの全英シニアオープンのスコアとして誰が想像しただろうか。ポースコールで、強すぎるランガーを見せつけた。
72ホールでボギーを叩いたのはわずかに5回だけ。しかも6番、18番のパー5はすべてバーディを奪っていた。しかも、イーグル逃しも3回。
「リンクスではミスをしないことを第1に心がけた。それを支えてくれたのはドライバーショットが好調だったことですよ」とランガーは語った。ドライバーだけではない。すべてのクラブがしっかりと役割を果たしていた。実は、レギュラー時代、ランガーは、その正確無比なアイアンショットゆえに、パッティング・イップスにかかったことがある。ちょうど1985年マスターズに初優勝したあとである。ほとんどのショットが1ピン以内につく。当然、それを外すことも多い。するとパッティングが入らない、調子が悪いと悩む。ショットメーカーが陥りやすい悩みだった。それを克服して1993年マスターズで2度目の優勝を果たした。そのショットメーカーの真骨頂は、シニアになっても輝きを見せて、ゴルフファンに夢を描かせた。
だから、このリンクスでも、自由自在にその技術を発揮していた。風にぶつける。低い球、高い球。曲げる球。あらゆるショットを駆使して、他の選手たちが悩むフェアウエイ、グリーンの極端な硬さに対応した。その距離感の勝利だったといえる。だから、そのランガーの精緻なショット力にパッティングが噛み合えば、とてつもない威力を発揮することを、改めて証明した戦いでもあった。

C・モンゴメリー【拡大写真】
13打差の2位のなったのは、コリン・モンゴメリーだった。今季からシニアツアー入りし、全米シニアプロ、全米シニアオープンのメジャー2冠を勝ち取ってやってきた全英シニアオープン。しかもリンクスは、スコットランド出身のモンゴメリーにとってはホームグラウンドである。その利点と優勝に向う強い意欲が、空回りした。51歳。昨年シニア入りしたばかりのモンゴメリーは、ときおり力でねじ伏せようとするプレーがあった。リンクスでは、忍耐強く、そしてさらに忍耐強くプレーを続けて、数少ないチャンスを待つ。そしてランガーのように、出来る限りボギーを叩かない。もともとパワーでねじ伏せるゴルフが彼の資質にあったが、その本能が仇となったのだろう。
「僕は、自分のゴルフを精一杯したし、2位でも、優勝したような気持ちです。144名の最強の選手がいて、142名には勝ったけれど、ランガーには勝てなかった。彼を本当に素晴らしい選手だと思います。6週間前の僕は、とても輝かしかったし、シニアメジャー2勝目は本当に嬉しかった。だけどね、今回はお手上げだよ。ランガーのような選手に近づけるように、また努力を重ねようと思います」とモンゴメリーは、今回のランガー完全無敵の舞台に、大きな賞賛を送り、これからも良き友でありたいと、心から願った。

井戸木鴻樹【拡大写真】
日本人選手たちは、最終日にようやくリンクスらしい風が吹いて、楽しむどころか、想像以上の苦戦を強いられた。この4日間、最後の最後までパッティングに悩まされた井戸木。今日も許容範囲以上の3パットをしてしまった。しかし、もう、いまからあがいても仕方ない。やれるだけのことはやった。「こんくらい難しい方が、面白いのは面白いんだけど。今日はアカン。3バットを4回も。どうにもなりません。強気でも入らない。しんどいです。パターのタッチが出なかった。昨日も部屋に帰ってから1時間位パッティングの練習してましたけど・・・今回は、勇気がなかった。わかってるんですけど・・・コースに実際に立つと、構えがおかしいんだとね。下手でした。
4日目にして、やっと英国のゴルフがでてきた。今日はリンクスの難しさを、悔しいほど理解しました。苦しみながらも、味わえました。僕にとっては、苦しみは楽しみですから。来年に向けて特訓です!」今回の悔しさが、次につながるはずだ。

奥田靖己【拡大写真】
最終日の最終ホールまで、ゲームの展開は予想できない・・・これがリンクスゴルフ。奥田は、楽しみにしていたリンクスの風を、ようやく感じることができた。17番ホールまで、順調に3アンダーとスコアを伸ばしていた。18番ホールで「10」。グリーン回りのポットバンカーの罠にかかり、苦しめられた。それでも、この日は2オーバー。トータル12オーバー、52位でフィニッシュ。
「今日は、リンクスの風を受けて、ものすごく気分よくプレーしてましたよ。だけどね、最後。こんな結末が待っていたとはね。18番のパー5。バーディは狙いますよ。セカンドショットも一番狙いやすいところにおけたからね。だけど、あのラフでダフって、手前のポットバンカーに入れてしまった。手前は砂が薄いから、見事にはじかれましたね。・・・でもね、こうなると、悔しくもないです。大丈夫です。もっとバンカーの練習します」。

植田浩史【拡大写真】
最終日はすべてのクラブを使い、4バーディ6ボギー、1ダブルボギーと、色々なシチュエーションを経験。植田は、マンデートーナメントの練習から数えると、連続で10ラウンドをこなしたが、リンクスゴルフを心から楽しんで、笑顔でホールアウト。12オーバー、すべて精一杯戦い抜いた結果だ。
「グリーンでも、海からの風を強く感じました。順目、逆目がところどころに入っていて、風の影響のあるのか、思ってたようなラインが出なかったです。とにかく、ティーショットをグリーンに向けて打つのが苦労しました。風の重さ、強さ・・・予想以上に強かったです。深読みしすぎていたのかもしれません。今回はマンデーから挑戦させてもらって、最後までリンクスゴルフを経験できたことに、心から感謝しています。そして、この全英シニアオープンの地で、まだまだ自分のレベルはこんなもんなんだと知らされましたね。何が変わるわけではないですけど、ファイトがわきました!」。渡英は、価値ある経験と時間を得られた。

友利勝良【拡大写真】
日本人選手の中では、本場リンクスのラウンド経験が1番多い友利。しかし、今回のロイヤルポースコールは、リンクスの攻略が生かせなかった。「今日はね、風がわからなかった。ショットは良かったのにね、風に持っていかれた。風の読みが甘かったってことですね。バンカーも2回たたいて出なかったし、悔しい。また気持ちを切り替えて、8月のヨーロピアンシニアツアーのリンクスに挑戦します」と、友利はしっかり前を向き、新しい挑戦に意欲を燃やしていた。
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