PGAの諮問機関、経営戦略会議がまとめた「ゴルフ市場再活性化に向けた新たな提案(以下提言書)」の発表会見が3月2日、東京のWTCで行われた。「2000万人潜在需要層の掘り起こしに向けてCHALLENGE New」と題し、長期低落傾向にあるゴルフ業界再生に向けて、1年間にわたって取りまとめてきた「未来への提言」が公表された。

出席者は、経営戦略会議の廣瀬恒夫座長、内田徹座長補佐、全日本ゴルフ練習場連盟の石井信成会長、日本ゴルフ場経営者協会の小栗榮輝理事長、大石順一専務理事、経営戦略会議を委嘱したPGA倉本昌弘会長、井上建夫副会長の7人。


冒頭、倉本会長が「ゴルフ人口、ゴルフ市場規模が減り続けている。経営戦略会議には、ゴルファーを増やす、ゴルファーをやめさせないためにどうしたらいいかの提言をまとめていただいた。今回の提言は、将来の方向を決めるための海図であり、同じ方向へゴルフ業界みんなが手を携えて進んでいかなければいけない。特に、人を作るPGAと、箱を持っているゴルフ場、練習場が三位一体となってゴルファーを開拓していきたい。提言ができたことで、ゴルフ界が良くなるように、これからDOの部分に入ることができる」と、あいさつした。


mt-hirose.jpg 提言の必要性を訴える廣瀬座長


発表は経営戦略会議の廣瀬座長から行われた。
提言書は「ゴルフを国民スポーツにする必要性」「ゴルフ業界の活性化、改革の必要性」「提言の必要性」「メディアへの期待」について、第三者機関として今後「やるべきこと」をまとめたものである。


「ゴルフ市場が低迷しているが、2013年で市場規模1兆4000億円、雇用は30万人、経済波及効果は4兆円とされる、まだまだ大きなマーケット。ただ、今後の事業計画がなければだめ。倉本会長から『再生、活性化に向けたロードマップを作ってください』と言われた。(ゴルフ業界)みんなで乗れる船をつくり、帆を上げて、進むための航海地図が必要。何もしないで市場原理に任せていると(市場規模は)今の半分になる」と、提言の必要性を訴えた。




配布された提言書はデータなども含めて100ページを超える。現状、低迷の原因、市場の動向、問題点、活動の検討などを細かな分析を基に「将来あるべき姿」を構築。


廣瀬座長は「起承転結にまとめた」といい、まず結論にあたる再生に向けたロードマップ(長期工程表)を説明。「ゴルフ界の追い風になる」という2020年東京五輪までの6年間と、2024年までの10年間の数値目標を示した。これによると、市場規模は2014年1兆3995億円+αから、2020年に1兆6310億円+α、2024年2兆円、ゴルフ人口は同じく850万人→950万人→1200万人を目標とするのが大きな柱。「その目標に向かって、PGA、ゴルフ場、練習場はじめ、ゴルフ業界の各団体が何をやっていくかを、考えていかなければならない。数値に根拠はないが、やるかやらないかだけ。達成は可能だと思う」と、話した。数値の根拠はないとしたが、1万人の意識調査で、ゴルフ未経験者の約3割が興味を持っているという結果も後押しする。「日本人の93%がゴルフをしていない。その2000万人の4分の1(500万人)を取り込んでいくこと」と、潜在層の掘り起こしがカギを握ることになる。


経営戦略会議 PGA倉本会長

そのためには、日本独自のゴルフ形態である「男性、アダルト、ビジネス、ステイタス」型からの脱却が課題。「日本のゴルフ場の80%は会員制を標榜している。経営スタイルが違う障壁を取り除いていかないといけない」(大石専務理事)と、ゴルファーのニーズの多様化への対応も必要。「夫婦でゴルフ」「3世代でゴルフ」など「マイライフ対応型」や「生活密着型」、日常的な出会いを演出する「新魅力創造型」など、ライフスタイルに合った仕掛けなども提案。「ゴルフ場の運営でも、地域で異なる。1つのビジネスプランでは無理なので、いろいろなことを考えていかないといけない」(倉本)、「提言をどう生かすか、みんなでアイデアを出していかないといけない」(廣瀬座長)と、今回の提言書が「海図」であることを何度も説明した。


「PGAとしてすでに会員の職場、職域を増やす仕組みをゴルフ場、練習場と協力して進めている」と倉本会長。廣瀬座長は「ゆるやかに改革を始めて、2020年には(活性化する)流れを確立し、2024年まで加速させる。それができないと、ゴルフ業界は本当になくなるかもしれない」とし、PGA、ゴルフ場、練習場だけでは解決できないことを踏まえ、今回の提言書がゴルフ業界全体で改革に向けて舵をきる原動力になることへの期待感を「過去にこだわるものは未来を失う」というチャーチル英首相の言葉で締めくくった。


※提言書は、近日中にダイジェスト版にて公開予定です

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