PGAの定時社員総会が24日、東京・浜松町の世界貿易センタービルで行われた。昨年、現職の副会長と理事の反社会的勢力との交際が発覚し、森静雄会長をはじめとする全理事と全代議員が総辞職したことを受けて、新しい役員の選任が行われた。
その後、会長に立候補した倉本昌弘(58)と再選を目指す前会長の森静雄(60)の両理事に対して、総会に出席した代議員90人による投票が行われ、過半数となる57票を獲得した倉本理事が次期会長に決定し、今後協会の舵取りを行なうことになった。

定時社員総会新会長


総会は2部制で実施された。午前に行われた第1部では、平成25年度の事業報告ならぴに収支決算の承認、入会金変更に関する件や資格更新制度という議案が承認された。
また、平成26年度の事業計画ならびに収支予算の報告に続き、昨年の不祥事に関する第三者委員会による検証結果報告、2013年度ティーチングプロアワードの報告など行われた。


◆ 第三者委員会による検証報告書は こちら>>



定時社員総会新会長記者会見には、新会長が任命した副会長も紹介された【拡大写真】


第2部では、昨年、現職の副会長と理事の反社会的勢力との交際が発覚し、全理事、全代議員が総辞職したことを受けて、各地区から選出された新代議員により新役員が選任され、その後、新しい会長候補者を選ぶ選挙が行われた。
昨年5月に公益社団法人に移行した後の、初めての選挙。総会に出席した全国から選ばれた代議員90人による投票が行われた。有効投票89票で倉本理事57票、森理事32票で倉本新会長が当選し、理事会による選任を経て、今後の協会の舵取りを行うことになった。
新会長が決定したのち、新代議員、新理事が暴力団排除への決意を新たにすると共に、再出発を図るため、昨年2月の社員総会で宣言した暴力団排除宣言の内容を改めて確認する意味で、倉本新会長が宣言を読み上げ、出席者全員で復唱を行った。


◆ 暴力団排除宣言は こちら>>


昨年の不祥事の「みそぎ」として再度の信任を目指した森理事は「事件のダメージが大きく、票が伸びなかったのは事実。新しい執行部にはわれわれがこの半年間やってきた再発防止の方策をあらためてしっかりやってほしい。この2年間の経験を生かして協力したい」と話した。


 PGA第11代会長に選出された倉本新会長は、自身が任命した副会長4人とともにメディアとの会見に出席した。冒頭、副会長の選出について説明。井上建夫(62)、植田浩史(55)、渋谷稔也(55)と前執行部から坂井初敏(62)の4副会長について「みなさんが(顔ぶれを)見たときに、様変わりしたな、若返ったなと思われるようにした。全員が初めてとならないように、坂井理事にはお願いして入ってもらった」と話した。倉本会長を含め、任期は24日から2016年度定時社員総会終了までとなる。



 会見では、会長選挙でも代議員に配布した「経営マニフェスト」をメディアに配布し、今後の方針を説明した。まず掲げたのは「PGA改革のために」と題し「PGA発足以来最大の危機を乗り越える。信頼を回復し、磐石な基盤を築くには改革の断行が必要。第一歩として組織・制度・運営をすべて見直し、社会的信頼を回復し、会員の社会的地位と資質の向上に努める」と3つを挙げた。改革の具体案として@底辺拡大事業の推進APGAスクールの確立B組織改革C日本ゴルフツアー機構(JGTO)との連携の4つを柱にする。


 @ではゴルフ人口の減少を踏まえ、若年層および幅広いゴルフ人口の拡大の必要性を示し「ゴルフ業界のパイは現在120億円といわれ、2020年には80〜100億円に減ると予想される。パイを広げることを先に考えたい。それにはゴルフに興味を持ってもらうこと。約1億人いるといわれるゴルフ未経験者をゴルフに誘導する施策を講じたい」とし、そのためにAを行う。「日本では近所にあるのは練習場。使用頻度が少ない時間帯などを利用して、PGAから練習場に企画を提案するなどして、数万人を取り込むことが出来ないか考えたい」と、ゴルファーの拡大とともにPGA会員であるティーチングプロの有効活用にも力を入れる。Bの組織改革では、中央1拠点集中を地方への拡大を目指すことに重点を置く。Cについては「1999年にPGAを割って出た倉本がなぜPGA会長になるんだ」と、JGTOとの関係も言及。「当時、PGAの中にツアーを独立採算でという組織図ができていた。それが理想だと思う。いまは2つの組織が1つになることはないが、連携できることはある」とした。そのために、JGTO設立以前に使用していた「PGAツアー」の商標を2015年を目標にJGTOに使用について話し合う。また「まずホームページの統一」とし、マニュフェストではオフィス機能の連携なども挙げた。



定時社員総会新会長倉本新会長は「熱意を持ってやりたい」と意気込みを伝えた【拡大写真】


 質疑では、信頼回復のための反社会勢力の排除について聞かれた。「1番目に話さなさなければいけなかったことで申し訳ない」と頭を下げ「暴力団排除の徹底を訴えていく。そのために、地方を回り、数多くの人と面談して訴えていきたい。また、発覚したら除名、退会などの重い処分を課すことは会員に通達してある」と話した。また、2016年五輪から採用されるゴルフ競技への対応についての質問には「代表になるのは確実にプロの選手。(JOCの窓口の)JGA(日本ゴルフ協会)と、我々にゆだねていただけないか、JGAが動きやすいようにお手伝いできないかなどお願いしていきたい」と話した。「五輪に向けて出来るのは底辺、子供たちの発掘をしていきたい」と、将来的な視野に立つことも話した。


 マニュフェストでは「ジュニア、学生、アマチュア、プロとして経験した実績を改革に生かしたい。世界のゴルフ団体とのネットワーク・人脈を生かしたコミュニケーションを深め、世界の一因たるPGAを目指す。1期2年ではなく、継続して応援していただける場合には3期6年をかけて改革に全力を投じたい」と結んだ。そのために「(永久シード権を持つ)レギュラーツアーはやめたい。シニアツアーは営業になるなら出ますが、ならないなら出ません。熱意を持ってやりたい」と、意気込みをみせた。